各家の河 ドラ
〔東家〕
〔南家〕
〔北家〕
そして西家の手牌が
このリャンシャンテン形。
いつもであれば、ドラ含みのリャンカン形と、マンズ・ピンズのリャンメン形を残すリャンシャンテン形を維持する落としで問題はなかったのですが…
ふと河を眺めると、南家がと、北家がとを切っていて、『あれ?この場はもしかして<三色場>かも』と思い直し、ではなく、のリャンメン外しを敢行して123の三色狙いに出かけていったのです。
現代は三色役受難の時代です。
こんな手でも、よほどの事情がない限り、123の三色は狙わず、と落として、ピンフ・赤・ドラで十分と考えます。
せいぜいこれくらいなら、さして狙うふうでもなく三色手筋に入ります。
もちろん、やが雀頭になれば喜んで即リーチする構えでの切りです。
そんな受難期にあっても、《456の異色並び三色法則》のときだけは、三色場が色濃く出ているので、その<場の形>に寄り添って狙ってみるのも一興です。
《456の異色並び三色法則》とは、河での並びのことで、冒頭の南家・北家の河がその法則に該当しています。
南家のと。
北家のと。
このように、6巡目あたりまでの序盤に4か5か6という数牌が異種で並べられたときは、<三色場>になっていることが多く、手牌にその兆候が現れたら積極的に狙っていくべきなのです。
それでは次の河を見てみましょう。
ドラ
〔南家〕
〔西家〕
〔北家〕
そして東家の手牌は
タンヤオ・ピンフ・イーペーコー・赤・ドラという大物手イーシャンテンにが重なって、七対子のイーシャンテンにもとれる形になりました。
打、これが多数派でしょうか。
まさかを切って七対子に決めて打つ人はいないはずです。
少しだけ甘い囁きにフラリとなっても、いきなりシュンツを崩すとは打たなくて、切りでバランスを保つ人はいるかもしれませんね。
でも、私は切りを強くオススメします。
それは、私が無類の七対子好きだからではなく、<場の形>が教えてくれているからなのです。
各家の河に何か特徴がないものか、今一度よ~くご覧ください。
賢明な皆さんのことですから、すぐに『ハハァ~ン、そういうことネ!』と気づかれたはずです。
南家が、西家が、北家がとを6巡目までの序盤でトイツカブリしていますね。
字牌はともかく、トイツ落としであろうとなかろうと、6巡目、すなわち一段目の河において《数牌のトイツカブリ法則》が各家に現われたら<場の形>は<トイツ場>と断定していいのです。
そしてもうひとつ。
配牌から4巡目あたりまでの早い段階で、手牌にイーペーコー形が現われたら(イーペーコーの完成形ではありません)、ほとんど<トイツ場>と思って大丈夫です。
いまさらではありますが、<トイツ場>を制すためのアドバイスをしておきますと、それは『シュンツよサラバ!』なのです。
天秤はいけません。
とにかく、1巡でも早く七対子への決め打ちを敢行すること、それに尽きます。
手牌をもう1度見てみましょうか。
親番ですから、カンのチーテンでも、5800というそこそこの打点が見込め、しかも連荘ができるメリットは計り知れない魅力に映るはずです。
がアンコになること(をポンできることさえ)も想定して、七対子のイーシャンテンなどには目もくれず、切りと構えることに違和感はないと思います。
そんな思いのなか、シュンツを崩して身動きがとれなくなる切りには大ブーイングが巻き起こるかもしれません。
でも河を眺めれば《数牌のトイツカブリ法則》が現われているのも厳然たる事実なのです。
<場の形>に寄り添いながら打つということは、簡単そうに見えてなかなか勇気がいることです。
とくに、親番だとか、リャンカン形や3メン形を壊すだとか、常識として頼っていいものを頼れなくなるような不安感が襲いかかってきますから、頭で<場の形>は理解出来ていても、いざ実践となると勇気がいるものです。
3つめの<場の形>は、自身の受けかたを含めた話になります。
ドラ
〔東家〕
〔南家〕
〔西家〕
そして北家の手牌は
赤2枚とドラが入った手牌ゆえ、少しでも前進させて、テンパイそしてアガりまで持っていきたい気持ちになるはずです。
そしてそんな気持ちが強くなればなるほど、孤立している字牌を河に切り出してしまうものです。
東場だったので、北家はから切り出していきました。
「ポン!!」
西家が動きました。
すぐにやって来た北家のツモは。
鳴かれてもいいや!とを切ると
「ポン!!」
東家が動きました。
次巡、北家がツモってきた牌は、またまた生牌の。
恐る恐るツモ切りすると
「ポン!!」
西家が2フーロしました。
決着は3巡と経たないうちに、ドラ2枚の東家がツモアガり、4000オール。
北家の手牌はといえば
愚形リャンシャンテンのままでした。
《ニッパチの複数出に役牌アリの法則》、これも<場の形>の典型例です。
東家の第1打、第4打。
西家の第2打、第3打、第4打。
このように、6巡目までの序盤で、2や8が複数出現したら、その河の持ち主の手牌には、ポンしたい役牌が入っていることが多いという法則を知っておけば、自身の手順を考えるうえで役に立つはずです。
北家は手牌を目一杯に構えて、役牌のそしてと切り出していったわけですが、この法則を河から読み取っていれば、切り、もしくはタンヤオ狙いでのトイツ落としを先に済ませてから、やを河に放出するプレーも出来たのではないでしょうか。
役牌をポンされると場は一気に中盤に入り、2フーロ目が叶うと、もう終盤です。
鳴かせてしまえば打点も下がるから、べつに意識しなくてもいいのでは?と考える人もいるでしょう。
でも、<場の形>として、《ニッパチの複数出に役牌アリの法則》を知っているだけで、鳴きが入りやすい場とそうでない場の区分けができることも確かです。
いろいろな意味で、使い勝手のいい法則なので、実戦で是非使ってみてはいかがでしょうか。