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土田浩翔プロ 特別書き下ろしコラム
14人の師

(つちだ こうしょう)
土田浩翔 第11、22期鳳凰位・第22、23期十段位、第26期王位/他多数
著書「土田流麻雀 仕掛けを極める」
「最強麻雀土田システム」
「麻雀が強くなるトイツ理論」

第三十七打「字牌は私の道しるべ」 2017/12/01

三萬四萬四萬五萬二筒二筒四筒三索四索五索六索八索白中 八索ドラ

東2局、親で手にした私の配牌。

さて何を第1打にしようかな?となったとき、真っ先にその候補から外れるのが白中であることは、私の第1打を知っている方たちにとっては周知の事実です。

白中を第1打に選べば、タンヤオ・ドラ1の好形リャンシャンテン手牌なのだから、その2種を第1打の候補から外すのは、ナンセンスであり非効率の極みと言われてしまうのは当然です。

にもかかわらず、何故ゆえ、頑なまでに第1打に字牌を切らない流儀を守ろうとするのか?疑問に思う方が数多くいらっしゃることも承知しています。

そんな縛りを作らないほうがもっと柔軟な選択が出来るだろうし、手牌の組み立てに苦労することも無いだろうと。

第1打に字牌は切らない。

この流儀を始めたのは今から25年前のことですから、四半世紀が経とうとしています。

週に1度、半荘5回卓を囲むとして、1ゲーム当たり11局平均打てば、第1打を55回経験することになります。

月に換算すれば220回。年間2640回。25年続けると、6万6千回の第1打を経験してきたことになります。

そのキャリアの中で、うっかり第1打に字牌を打ってしまったことは、私の拙い記憶をたどると2回だけあります。

残りの6万5千998回は字牌を第1打に選ばずにキャリアを積んできました。

冒頭の配牌からの私の第1打は四筒

四萬ではありません。

マンズの並びが三萬四萬五萬、ソーズの並びも三索四索五索ですから、常識的にはピンズの四筒を残して345の三色を狙っていくべきなのですが、私は三色の基点になる四筒から第1打を切り出します。

その理由は…

第1打に白中を選びたいからに他なりません。

「え?!」

多くの方がいまこの瞬間、私の理由に大いなる疑問を抱かれたはずです。

「だったら、第1打に字牌を堂々と切ればいいじゃないか」と、お叱りを受けてしまいそうです。

私は麻雀を打つうえで<大局観>を最優先に考えています。

<大局観>とは、その局に与えられた自身の使命、役割のことです。

そして<大局観>と<運量>は密接な関係にあって、1局1局の<運量>の変化に比例して<大局観>も変わっていくものと私は考えています。

その<運量>を測るために重要な役割を果たしているのが字牌であり、特に第1打で字牌を切りたくなる手牌がやってきたときは、<運量>の少ない局と見立てています。

配牌を取り終え、第1打をする段になって、パッと数牌から不要に思える牌を見つけられる局は<運量>が多い局と見ています。

安易に考えてしまうと、<運量>イコール<持ち点>と捉えがちになりますが、私の経験からは第1打をするときの字牌の据わり方でも<運量>は測れると言い切れます。

もちろん、持ち点が増えれば増えるほど<運量>も多くなることは事実ですが、1局単位で見てみると、いくら持ち点が沢山あっても<運量>の少なくなる局はあるのです。

これは<運量>の増減が直線ではなく波線で変化するために起きる現象だからではないかと推察しています。

上昇基調にあっても波打ちしながら<運量>が増えるため、波の下がる局もあるという事実に着目する必要があります。

第1打に字牌を切らない流儀を始めてから<局予測>、<手牌予測>という新しい視点に立って麻雀を打てるようになりました。

6巡目あたりまでのツモを見てみないと、自身の手牌に対する手応えが掴めなかったり、他家の河を見てみないと、その動向が掴めなかったりという心配も減りました。

冒頭の手牌を見て、字牌を切りたくなるのであれば<運量>の少ない局であることが察知できて、<運量>の多い局の花形役である三色は真っ先に断念する決断が四筒切りという第1打につながるのです。

三萬四萬四萬六萬七萬三筒四筒二索三索四索五索七索白中 四筒ドラ

冒頭の手牌同様、東2局の親でやってきた手牌であったなら、私の第1打は四萬

234や345の三色を狙っていけそうな好配牌ですから、自然にその型を追える四萬切りは、字牌から切り出したい欲求を鎮めてくれます。

字牌を選ばずとも、スッと切り出せる数牌があるときは<運量>が多い局と見なせるので、希望する和了形に向かって、他家の攻めに怯むことなく前進していけるのです。

ただし、この配牌が南2局の親で、持ち点がマイナス1万点以上している苦しい状況のものであるならば、<大局観>からひと筋縄ではいかない局と判断し、第1打には三萬を選択します。

七索切りでもいいのですが、<運量>の多い局の花形役である三色を否定するところから始めたほうが、この後のツモに手牌がマッチしてくるのです。

そんなこと、ツモ牌がやってくるまで待ってから考えればいいことで、だからこそ第1打に字牌を切らない決め事など作らないほうがいい。

多くの方から至極もっともなご指摘を受ける身なのですが、この流儀を始めてから、年を追うごとにそのキャリアが積まれ、予測して打つことの楽しみが増してきました。

第1打に字牌を切らないからこそ見えてくる法則めいたものもあったりするのです。

三萬三萬四萬五萬五萬六萬八萬二筒二筒四筒四筒六筒白中 五萬ドラ

東2局の親でこの配牌がやってきたら、私は字牌から切り出したくはなりません。

ピンズの並びがもう少し連続形でこんな配牌がだったら

三萬三萬四萬五萬五萬六萬八萬二筒二筒三筒四筒五筒白中 五萬ドラ

さすがに白中を第1打にしたいので、良い配牌には見えますが<運量>は少ない局と捉え、第1打に八萬を選ぶものの、先々に落とし穴があるかもしれないと思いながら、警戒心に満ちた手順を踏んでいきます。

ところが、ピンズの並びが二筒二筒四筒四筒六筒であれば、手牌全体にトイツが4組あることも追い風になり、七対子に決め打っていける決断が第1打の時点で出来るのです。

第1打にはドラ表示牌の四萬を選び、手中にある字牌の白中は、有力なトイツ候補として重宝していきます。

第1打に字牌を切らないという流儀は、その経験をしない、あるいはする気にもなれない打ち手にとっては、実に馬鹿げた流儀に映り、その不自由さ、制限された難しさだけが浮きぼりになります。

でも、私のようにその流儀に魅せられた打ち手にとっては、毎局々、第1打をする時点で、自身の<運量>に気づくことが出来て、数巡先の落とし穴にも嵌らずに打てる利点がとてつもなく有利に働いているように思えているのです。

私は東京と大阪で麻雀教室を開いていますが、とりわけ初めて牌にふれる初心者に麻雀の魅力を伝えることが大好きです。

そんな初心者たちが親で配牌を取り終えて「センセー、これ最初に何を切ればいいですか~?」と訊いてきます。

三萬四萬四萬五萬二筒二筒四筒三索四索五索六索八索白中 八索ドラ

「いいですか。これはとても美しく見えて切るのがもったいなく思えるでしょうが、白中を最初に切りましょうネ!」

「配牌を取り終えたら、まずは1枚ずつある字牌たちを利き手側に並べておいて、自分の番がきたら、ひとつずつ河に切っていきましょうネ!」

「どんなにキレイに見えても、まずは独りぼっちの字牌たちとサヨナラしましょうネ」

と、レクチャーしています。うふふ。

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