全日本ネット麻雀グランプリにおける高額賞金の合法性について

全日本ネット麻雀グランプリ開催に伴い、合法性について弁護士に問合せ・確認を行いました。

結果として、参加費用、参加途中の費用などが一切発生しないため、法律や条例の規制は受けず、違法性はないと判断されましたので安心してご参加ください。

以下、弁護士からいただいた回答の要約を公開します。

■弁護士 京都グリーン法律事務所 津田岳宏 氏 (2016/08/10 問合わせ)

第一 本大会と賭博罪及び賭博場開張図利罪との関係について

  1. 刑法185条本文には「賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する」と定められている。
    同条の「賭博」とは、偶然の勝敗について財物の得失を賭けて争うことをいうが、ここでの「財物の得失」は、相互に存在していなければならない。賭博罪の成立には、「相互的得失」の要件が必要である。「相互的得失」とは、勝者が財物を得て、敗者が財物を失い、さらに勝者が得る財物と敗者が失う財物が相互的な関係であること、を意味する。勝者の得る財物は、敗者が負担する財物とイコールでなければならない。勝利によるリターンが敗北によるリスクとイコールでなければならない。
    また、当該リスクは参加者各自が負担せねばならない。一方的な危険負担のみがあるだけでは、賭博罪は成立しない。本大会は、勝者に賞金が出されるが、参加者の参加費は無料である。とすれば、敗者には財物を失うリスクが存在せず何らの危険を負担しないので「相互的得失」の要件を充たさない。
    よって、本大会は法律上の「賭博」に該当せず、参加者が賭博罪に問われることはない。
  2. 刑法186条は賭博場開張図利罪を定める。人を集め賭博を管理支配して利益を得た場合は、賭博場開張図利罪が成立する。しかし上記のとおり、本大会は参加費が無料であり、法律上の「賭博」に該当しないので、賭博場開張図利罪が成立する余地はない。

第二 本大会と景品表示法との関係について

  1. 不当景品類及び不当表示防止法(いわゆる「景品表示法」)は、景品の価額を規制している。
    もっとも、景品表示法の目的は、不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為の制限及び禁止して一般消費者の利益を保護する点にあり、同法にいう「景品類」とは「顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する商品又は役務の取引に付随して相手方に提供する物品、金銭その経済上の利益」のことをいう(景品表示法第3条)。
    本大会は参加費が無料であるので、賞金が出されるとしても、「顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する商品又は役務の取引に付随して」とはいえない。よって、本大会の賞金は景品表示法による規制の対象とならず、同法違反の問題は生じない(本大会の賞金はいわゆる「オープン懸賞」に該当する)。

以上のことから、弊社では、賭博場開張図利罪、及び景品表示法などの国内法規、いずれにも抵触する可能性は低いと判断し、全日本ネット麻雀グランプリを開催しております。

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