麻雀の手役は、大部分が手牌14枚全体で構成されるものです。
前々回や前回のピンフやタンヤオがそうで、他にもチャンタ、ホンイツやチンイツ、チートイツも手牌全体で構成される手役です。
それに対して、手牌の一部分だけを揃えてアガリ役となるものは、実はあまり多くないのです。
まず、3枚揃えただけでアガリ役としての1飜がつくのは役牌だけ。
役牌とは、それに場風(東場の
と南場の
)、自風の5種類です。
そして2メンツ6枚を揃えただけで1飜になる役が1つだけあります。それがイーペーコーです。
三色やイッツー、三暗刻は3メンツ9枚役なので2飜(食い下がりは別として)ですが、それより少ない枚数のイーペーコーは1飜だけで、しかもメンゼンに限られる役になっているのです。
イーペーコーは、メンツが2組で
なのですが、牌の並びとしては
という並びトイツ3組で覚える人のほうが多いかと思います。
オンライン麻雀ならば自動的に理牌してくれるので、自然とこの形になっていますが、リアル麻雀の場合は、
とわかりやすく並べたつもりで、かえってチートイツを見逃したりすることがありますので、注意が必要です。
さて、今回はたった6枚で1飜になるイーペーコーを作るちょっとしたコツを覚えましょう。
初心者の場合、まず3枚で1メンツを作ることから覚えるので、3枚完成した時点でそれを固定してしまいがちです。
たとえば、とあるところに
をツモってくると
とシュンツを完成させて余った
を切るというわけです。
でも、他のところがまだ揃っていないときは、ここで1メンツだけと思わず、2メンツやイーペーコーの可能性を見るのです。
を、
と
のリャンメン2組と考えると、
・ツモ
となり、
でイーペーコー。
・ツモ
となり、
でイーペーコー。
となるのです。
ほかにも、という形でも、
を切ってしまえば完成メンツ1組固定になりますが、このまま持っていれば、2メンツやイーペーコーになるチャンスがあります。
・ツモ
となり、
でイーペーコー。
・ツモ
となり、イーペーコー確定形。
次は、応用編です。A図をご覧ください。
A図はイーシャンテンの手牌で、ではテンパイにならないので、ツモ切ってもテンパイチャンスは変わりません。
でも、ここでを残して
と入れ替えれば、
となって、次に
、
のどちらをツモってもイーペーコーに変化するのです。つまり一手で1飜アップのチャンスと言えるのです。
このように、ちょっとの変化でのイーペーコーを見つけられれば、お得になると思いますが、それでも1飜だけしかないので、こだわり過ぎると逆に損なケースも出てきます。
B図はテンパイしたところです。
を切れば
待ちのピンフ、
を切れば
と
のシャンポン待ちですが役なし、
を切ればカン
でイーペーコーのみ。
さすがに役なしにはしないですが、イーペーコーにこだわっての切りも1飜だけの上、待ちはカンチャンで残り3枚。
切りならピンフの1飜がついて、しかも待ちはリャンメンだから2種7枚と倍以上なのです。
アガリ点も、ピンフのみだと1000点、イーペーコーのみは1300点。300点しか差がないなら、広くリャンメンに構えてアガリやすくしたほうが得なのです。
また、この手でピンフのヤミテンを選択した場合、その後をツモって
を切ると、
という形になり、待ちは
に変わりありませんが、今度は
が高目イーペーコーになるという変化もお見逃しなく。
最後はC図です。
こちらもテンパイ。を切ってペン
のイーペーコーのテンパイでリーチでもアガれるかもしれませんが、残り3枚のペンチャン待ち、しかもドラそばですから、やはり良い待ちとは言えません。
こんなとき、形の悪いイーペーコーにはこだわらず、一旦を切って
と
の役なしシャンポン待ちのヤミテンに構えておきます。
こうしておけば、次にドラのをツモれば
切りでピンフに変化します。
あるいは、、
、
、
のツモでもピンフ(ツモ
なら高目イーペーコー)の変化になるのです。
以下の手牌から何を切りますか。すべて東1局西家5巡目とします。
第1問
。
のツモで
を切ればイーペーコーが完成して1飜が確保される。ピンフが確定しておらず、このままだと役なしテンパイの可能性もあったのだから、ここはタンヤオにならなくても喜んで
を切るべき。
第2問
。ピンズで1メンツが完成し
を切りたくなるところ。これで、テンパイチャンスは
、
、
、
、
と瞬間的には最も手広くなるものの、先にカン
が入らない限り役なしテンパイ。そこで
切りとしておけば、
ツモによるピンフテンパイの可能性を残しながら
、
、
、
のツモなら
落としでピンフ確定、しかも
か
のツモならば高目イーペーコーのチャンスになる。
第3問
。イーシャンテンに手を進めるには、
を切ろうが
を切ろうが同じだが、
を切ってしまうとイーペーコーから遠ざかる。
を切っておけば、
か
のどちらをツモってもイーペーコーが確定する。
第4問
。
、
、
、
のどれを切ってもテンパイだが、手役と待ちにちょっと差がある。最も広い待ちになるのは
か
を切ってピンフ確定の
待ち。
でのピンフのみは同じだし、
でタンヤオがつくのも同じ。ただ、
でイーペーコーもつくようにするのは
切り。
第5問
。これでテンパイ、切るのはたとえドラであろうが
で難しくはない。問題は、これで何待ちかということ。カン
でイーペーコーはわかると思うが、
がアタマで
のシュンツを抜けば、残りの形は
となりピンフの
待ちもある3メンチャンなのだ。しかも、
でも
でもイーペーコーになるちょっと珍しい形。