イチから学んでステップアップ!東大式おもしろ麻雀塾

井出 洋介(いで ようすけ)
麻将連合所属
第15期将王、第2・4・12回BIG1カップ優勝/他多数
著書「これが東大式!はじめてでもよくわかる麻雀入門」「麻雀技術 守備の教科書 振り込まない打ち方」共著:小林剛「新版 東大式 麻雀に勝つ考え方」/他多数

第十回「トイトイ、ツモり三暗刻」<初心者向け>
2021/08/23


チートイツを漢字で書くと七つのトイツ(対子)で「七対子」、これはわかりやすいですね。

そして、コーツは刻子と書くのに4メンツがすべてコーツの手役を、メンゼンでの「四暗刻」はともかく、なぜか「トイトイ(対々和)」と呼びます。だからでしょうか、昔はポンのときに「トイ」と発声する人が結構いたものです。今では「ちゃんとポンと発声してください」とマナーを注意されてかわいそう(?)ですが。

「ポン」の発声の種類

さて、シュンツ作りがしやすい手ならばピンフ狙いになり、その延長線上にタンヤオとの複合や、イーペーコー、三色、イッツーなどの手役を狙うチャンスも出てきます。

しかし、シュンツが作りにくい手の場合は、トイツをどう利用できるかがポイントになります。トイツが4組以上ならばチートイツが近い(4組でリャンシャンテン、5組でイーシャンテン)ので、その可能性を意識するべきでしょう。

そしてトイツの中に暗刻が1組でもある場合には、今度はトイトイや三暗刻も狙いに入ってくるのです。

初心者はメンゼンで我慢するよりポンしていったほうが楽な気がして、トイツの牌が出るとポンしてのトイトイ狙いをする人が結構多いものです。

しかし前回も説明したように、トイツ5組ですでにチートイツのイーシャンテンになっている手牌からポンをすると、トイトイに関してはリャンシャンテンに戻ってしまいます。トイツ4組からのトイトイ狙いだと、4つポンできたとしてもさらにアタマ待ちの裸タンキが残ってしまいます。さすがに、それではあがりやすいとは言えませんよね。

トイトイのアガリを成就させたいならば、たとえばA図のように手牌の中に暗刻があるところからポンをしていくほうがいいでしょう。



A図二萬二萬二萬六萬六萬一筒一筒二筒六索八索八索白白九萬ドラ

すでにチートイツのイーシャンテンになっていますが、六萬をポンしてのトイトイ狙いなら、イーシャンテンのままとは言え、次に一筒八索白のいずれかのポンでテンパイ。白が絡めば5200点が望めます。動きがとれずツモ牌にしか頼れないチートイツよりも融通が利くのです。

また、六萬をポンした後、一筒八索白をツモり入れてのテンパイならば、ツモアガると三暗刻もつくのです。


二萬二萬二萬一筒一筒一筒八索八索白白六萬六萬六萬

上図のテンパイならば、出アガリで安目になる八索のほうでもツモアガるとトイトイ、三暗刻でマンガン。白でロンの5200点よりも高くなるのです。


三暗刻はこのようにツモったときに完成する、いわゆる”ツモり三暗刻”の形がよく出てきます。出アガリでは二暗刻と一明刻で、三暗刻になりませんからご注意を。

次に、トイトイとの複合ではなく、メンゼンでの手作りによるツモり三暗刻狙いのパターンを見ていきます。



B図四萬四萬五萬一筒二筒三筒八筒八筒一索一索七索七索七索八筒ツモ九萬ドラ

B図はテンパイをしたところです。四萬を切れば三萬六萬のリャンメン待ち。このままでは役がないのでリーチをかけるのですが、いわゆるリーチのみで、一発裏ドラがなければ1300点、ツモアガっても500・1000(2000点)と点数的には安いものです。

しかし、五萬を切って四萬一索のシャンポン待ちでのテンパイならばどうでしょう。これでリーチだと、枚数的にはリャンメン待ちより少ないものの、ツモアガリならば三暗刻がついてマンガンになるのです。

四萬切りでのリーチが悪いわけではありません。でも、リャンメン待ちに構えたところで絶対アガれるわけではないのですから、ツモアガればマンガン以上が保証されるツモり三暗刻を狙うのも面白いのではないでしょうか。

リーチをかけた場合、通っていないリャンメン待ちは警戒されやすいですが、シャンポン待ちは読みにくく結果として出アガリできることも多いものです。

いつでもリャンメン待ちが良いと思っている”リャンメン信仰”に陥りがちな方には、このツモり三暗刻でのリーチのメリットも覚えておいてほしいと思います。

これを踏まえて、手作りの途中段階でのトイツ処理の例を見ていきます。



C図一萬一萬六萬六萬七萬三筒三筒三筒二索四索四索七索八索九索ツモ北ドラ

C図はイーシャンテンになったところです。

牌効率的には、こんなときは六萬切りでリャンメンを作り、一萬五萬八萬三索四索のテンパイチャンスに構えるのが一番広いのですが、その場合何が入っても役なしテンパイ。

敢えてツモ三索には目をつぶって二索切りとしておくと、次に一萬六萬四索をツモったときにツモり三暗刻のテンパイに組むことができるわけですね。

復習・練習問題


第1問

東1局南家7巡目。テンパイだがどう打つか?

一萬二萬二萬三萬四萬五萬七筒七筒九筒九筒北北北七筒ツモ二筒ドラ
解答

一萬切りリーチ。二萬切りで三萬六萬待ちのリャンメンリーチよりも、ツモり三暗刻でのリーチでツモってマンガンがおいしい。九筒の出アガリも十分期待できる。七筒九筒がドラならば打点十分なので二萬切りリーチで問題ない。


第2問

東2局西家6巡目。中をポンして何を切る?

四萬六萬八萬九萬九萬三筒四筒四筒八索八索八索中中中一索ドラ
解答

八萬。ただアガリに向かうだけならば四筒切りでも良いが、中のみになる。トイトイの可能性を残して八萬切りとしておけば、四萬六萬三筒のツモでトイトイに移行。赤五萬の受入れのための八萬切りなので、赤五萬がなければ四萬切りでもいい。


第3問

東3局北家5巡目。何を切る?

二萬二萬三萬三萬四萬一筒一筒二筒四筒東東発発二萬ツモ九萬ドラ
解答

四筒。チートイツに決めるなら二萬ツモ切りだが、せっかく東発の役牌が2組トイツなのだから、トイトイ狙いで四筒切り。


第4問

東4局東家6巡目。何を切る?

七萬七萬九萬一筒二筒三筒三筒四筒二索二索二索北北一筒ツモ八索ドラ
解答

九萬。チートイツのイーシャンテン、そしてメンツ手としてはイーペーコーとツモり三暗刻の可能性を残すように九萬切り。ロスはツモ八萬九萬だけ。