最近は自動卓で配牌完了タイプが登場し、サイコロを使用しないことが多くなったせいか、サイコロによる配牌の取り出し方がわからない人が増えています。
サイコロ2つによって出る目は2から12まで11通りあり、その目の出方で11通りの配牌の可能性がある中、親の振った(自動卓だとボタンを押す)目によって運命が決まるわけですから、親の時の投サイには力が入るものでした。
ドラも親のサイコロの目によって変わってくるのですが、配牌完了タイプだと先に決められてしまっている感があるので、私のように古い人間にはサイコロを使わないことに寂しさを覚えてしまいます。
ドラはアガリ役でこそないものの、1枚で1飜の価値があるのですから、こんなにお得な牌は他にないものです。だからこそ、できるだけうまく利用したほうが良いわけで、今回はドラを上手に使うための打ち方を見ていきましょう。
ドラが数牌のケースです。
イーシャンテンでソーズのリャンカンが先に埋まればピンフのテンパイになる手牌です。ここにツモってきたは、あっさり切ってはいけない牌です。このままだとドラのは使えませんが、を切ればがアタマでのシュンツとなるので、をツモったときにと入れ替えることができるのです。
トイツが3組となり、こんなときはトイツをほぐすのが効率的なのですが、どれを切るかと言えば、ドラの受入れができるようにを切ってのリャンメンを決めてくのが良いでしょう。なまじを2枚残してアタマになった場合、ドラをツモっても使いきれなくなってしまうのですから。
ツモってきたがアタマの候補になりそうですが、まだを切るのはちょっともったいない形です。ソーズはリャンメンとリャンカン、マンズもリャンカンなので、何を切ってもロスはあります。こんなときはドラを意識してを切っておくのです。
ツモだけはロスですが、ドラのをツモってくれば打でリャンメンになるし、ツモでものリャンカンで、今度はソーズのリャンカンのほうを処理していけば良いでしょう。
このようにドラが数牌の場合は、ドラをツモってきても使えるように、ドラそばの牌の残し方に気を配ることが大切になります。
それでは、D図はどうでしょうか。
ドラがだからとを残していたのですが、この手はそもそもタンヤオが近いし、たとえドラのをツモったとしてもペン待ちという悪形ができるだけ。またをツモったとしても、ドラ待ちのカンチャンができるだけですから、そのためにを残すくらいならとっとと切ってしまったほうが良いのです。
同じドラそばでも、ならばツモ、でリャンメンができるので、たとえ孤立牌だとしても残しておく価値がありますが、やの孤立牌の場合は、そこまでの価値はないと考えてもいいでしょう。
最後にE図です。
をアタマにすれば、ソーズで3メン待ちのテンパイになる可能性もありますが、ここはやはりドラのの受入れを決めるを切っておきましょう。ソーズの受入れはですが、以外はタンヤオもつくピンフが確定。待ちが残ってもドラが高目ならリーチもかけやすいでしょう。
勿論、先にドラをツモってのテンパイならば切りでタンピン、ドラ1。リーチでマンガン以上が確定するのですから申し分ありません。
第1問
東1局東家8巡目。何を切る?
。これでイーシャンテン。打牌候補はとだが、ドラがでもあり、その受け入れを確定させるよう、マンズを3メンチャンに決めておこう。
第2問
東2局南家3巡目。何を切る?
。まだ1メンツも完成していない序盤で、ドラそばのは切りたくない。は将来の安全牌にもなるので残し、とりあえずピンズの形をリャンメンに決める切りで様子を見たい。
第3問
東3局北家6巡目。何を切る?
。これでイーペーコーが完成したのでを切りたくなりそうだが、ドラがとなると、まだ切るのは早い。ひとまずイーシャンテンを維持できる切りでのアタマを決める。テンパイになれば切りで良いが、その前にドラをツモってくればカンを嫌っていくことによりタンピン、イーペーコー、ドラ1の高得点が見込めるのだ。
第4問
東3局西家5巡目。何を切る?
。ドラはだが、ドラそばのを残してがくっついたところで、ペンというドラ表示牌待ちの悪形ができるだけ。そのための残しはほとんど意味がない。この後、ツモやならば678の三色狙いと共にドラの受入れのために残す価値がありそうだ。勿論、ドラのツモの場合もすぐには切らない。重なる可能性もあるのだから。