前回のテーマだったリャンカン形はシュンツ作りに有効な形であり、それ故に手役作りではピンフに役立つものです。
しかしピンフ絡みでないときには、リャンカンにこだわらなくても良いケースがしばしば出てきます。
たとえばA図です。
ドラを暗刻にしたチャンス手ですが、ここから何を切りますか?
打牌候補はマンズで、テンパイチャンス的には何を切っても受入れ枚数が同じになります。
打では・・・・の5種16枚。
打では・・・・の5種16枚。
リャンカンに構える打でも・・・の4種16枚です。
しかし、この手牌の場合はすでにの暗刻で1飜が確定している手ですから食い仕掛けができるのです。
ならば、チーしかできない打よりとのポンでもテンパイになるほうが得策でしょう。
さらに打と打の比較では、カンとカンを比べるとチーのしやすいカンを残した打のほうがおすすめとなります。
続いてB図を見てください。
イーシャンテンの手牌で、打牌候補はピンズになります。
打ならリャンカンですが、ここが先に埋まらないとカンチャン待ちが残ることになります。
先にをツモってテンパイした時にとのシャンポンでリーチとしたいのならば、ここは切りが良いでしょう。
勿論、すでにが2枚出ていてが狙いのシャンポン待ちにならないならば、切りでリャンカンを活かすほうが受入れが広くなりますので、場の捨て牌(河)をしっかり確認しておかなければなりませんが。
イーシャンテンになったところですが、まだ手役は見えていません。
を切ってリャンカンに構えたところでマンズもカンチャンなので、マンズとソーズのどちらが埋まったところでさらにカンチャン残りの役なしテンパイにしかなりません。
こんなときは、リャンカンにしないで打としておくとタンヤオに少し近づき、次のツモ、打でタンヤオのイーシャンテンになって、ポンやチーでテンパイが取れる形になるのです。
最後にD図です。
こちらもイーシャンテンになったところです。
タンヤオを見るならばを切ってひとまずリャンカンにしておいても良さそうですが、残っているソーズのリャンメンが待ちの形で、だとタンヤオにならないのです。
タンヤオが不確定ならば、それよりもを切って、2飜役の三暗刻を狙えるように構えておいたほうが楽しみがあります。
先にをツモっても、打でリーチをかければ出アガリができるし、ツモれば三暗刻になります。
また、もし先にかをツモって三暗刻が確定したならば、さらにヤミテンに構えて四暗刻まで狙えるのです。
これでかのツモでツモリ四暗刻、先にツモなら、四暗刻タンキ。
そこまで狙えるのですから、コーツ役が狙える際には、リャンカンよりもトイツを残すように構えたいですね。
第1問
東1局南家8巡目。何を切る?
。これでイーシャンテン。をポンしてテンパイがとれるようにのトイツを残してかを切る。こんなときは後の安全度からを残してから切る。
第2問
東2局西家7巡目。何を切る?
。234の三色が狙えるのでを切っても良さそうに思えるかもしれないが、のリャンカンを残したところで、ツモだと三色にならないばかりでなくがアタマではピンフにもならない。切りならば、が暗刻になったときには打で、三色にはならないもののを活かしたテンパイになり、リーチで高得点も狙える。
第3問
東3局西家6巡目。何を切る?
。ドラがなので、これを使い切るためにを切ってピンズをリャンカンに構えるという手もないわけではない。しかし、が入ったところで、役なしのテンパイでリーチドラ1コースが関の山。この手牌ならジュンチャンが狙えるのだから、ここでを切る。が暗刻になれば、ドラ切りでもジュンチャン確定で十分見合う。
第4問
東4局北家6巡目。何を切る?
。ここまでマンズはというリャンカンとのリャンメンが複合した形だったので、だけでなくの受入れもあり、234の三色も狙えるを残す意味があった。しかし、をツモったところでイーシャンテンとなり、リャンメン2組を残した切りで問題なし。裏目のように思えるツモでも切りで手広くなる上、345の三色チャンスが復活するので良し。
第5問
東4局南家6巡目。何を切る?
。をアタマに決める切りで、ソーズはリャンカンと同様でもでもピンフのテンパイになるが、それよりは切りで、タンヤオ狙いからかをアタマにしての678の三色狙いを残したほうがおもしろい。