そもそも、マンガンを漢字で書くと満貫で、最高限度額という意味でした。
たとえばリーチ、ドラ3の手だとすると40符4飜ですが、点数計算をちゃんとするとリーチの1飜、ドラ3の3飜に場ゾロ(無条件に加えたインフレルール)2飜を加えて6飜で、40×2×2×2×2×2×2=2560となり、出アガリならこれを4倍して10240点になるところを8000点に切り下げているのがマンガン制度でした。
そして飜数を数えることなくマンガンになったのが満貫役で、それが大三元、四暗刻、国士無双などの現在の役満です。
手役の飜数が増えたり、手役の種類も増え、さらにドラも増えるなどのインフレ化によってマンガンが簡単にできるようになると、マンガンの8000点を上限とせず、ハネマンや倍満を作り、満貫役を最高限度額の4倍満、32000点(親なら48000点)の役満に設定してきたのが麻雀の歴史なのです。
というわけで、昔に比べれば価値が下がってしまったマンガンですが、それでも1000点や1300点に比べれば高得点のマンガン、ツモアガれば子とは10000点、親となら12000点の差をつけられるのです。
そこで、今回のテーマは、マンガンを狙う打ち方です。
ここでは、リーチをかけてたまたま一発や裏ドラがあった場合のマンガンではなく、一発や裏ドラに頼らないマンガンということで見ていきましょう。
まずマンガンになるには、30符以上の手なら4飜が必要だし、「ピンフ・ツモ」や「チートイツ」の場合は5飜が必要になります。これを踏まえて、マンガンになる典型パターンをあげてみます。
(1)リーチ+3飜
これならば、ツモアガらなくても出アガリでマンガンになります。
3飜にはドラも含まれますから、ドラ3の手ならリーチで無条件マンガンになるし、ドラ2でも1飜つけてリーチでマンガンになります。
逆から言えば、リーチをかけても1飜役しかない手では、もう1飜増やすまでリーチをかけるのを我慢するのです。
たとえばA図、現在はタンヤオのみで待ちもカン、あまり良い待ちではありませんね。
このままではリーチをかけても一発や裏ドラがない限り、ツモってもマンガンにはなりません。でも、ここでたとえばをツモってくれば、リャンメン待ちになる上に1飜アップして、ツモならマンガンになります。
それ以外でもツモか、ツモでイーペーコーによる1飜アップとなり、カンのままでもリーチ、ツモならマンガンになります。そういった1飜アップの手替わりを待つ我慢をしてみてください。
続いてはB図、現在ピンフのみのテンパイ。
こちらも、このままのリーチではなかなかマンガンには手が届きません。しかし、よく見ると色々な手替わりチャンスがあります。
まずツモで567の三色チャンスとなり、高目のを期待してのリーチ。
また、ツモならタンヤオとイーペーコーの2飜アップ、打でリーチをかければ無条件のマンガン手になります。
(2)リーチ+ツモ+2飜役
A図やB図は、メンゼンテンパイでリーチをせず、手替わりを待つパターンでしたが、テンパイ以前の時点でマンガンを狙う場合の基本が、この2飜役狙いです。
この場合は、ドラがなくてもマンガンになりますが、もしドラがあればヤミテンでもマンガンが狙えるケースも多くなるので、2飜役狙いは大事です。
C図はをツモってイーシャンテンになったところです。完全に孤立しているのはで、テンパイチャンスを広くと思えば切りになります。
しかし、この手牌はツモかで三色チャンスがあるのです。と同時にマンズのイッツーもかのツモによって狙えます。となれば、をアタマに固定して切りで、イッツーか三色、どちらかの2飜役を見るのがマンガン狙いの打ち方になります。
(3)ホンイツ+役牌+ドラ
食い仕掛けのマンガン狙いは、2飜役のホンイツやトイトイの利用を念頭に置いておきます。特に役牌がトイツの場合、ドラのある色のホンイツを絡めればマンガンになります。
赤牌はマンズにもピンズにもソーズにもありますから、ドラ色でなくても自分の手牌に赤ドラがあれば、その色のホンイツ狙いを考えればいいですね。
D図は南家の手牌で、4巡目に2枚目のが出ました。テンパイスピードならばポンして切りでイーシャンテンですが、それだと2000点どまりになりそうです。
があるので、ここはピンズのホンイツにすればマンガンが狙えます。
をポンしてマンズを切っていきましょう。その際、が入ったときだけテンパイに取れるようから切るのが赤ドラ対策。
もう1枚ピンズの有効牌をツモってくれば、マンガンのイーシャンテンに手を進めて、を落とすのです。
第1問
東1局西家、6巡目にをツモって何を切る?
切り。
狙いは123の三色。ドラが1枚あるので、食ってもマンガンになるには、さらにチャンタ、役牌が必要となるので落とし。
第2問
東2局南家、5巡目にピンフのみのテンパイをしている。
手替わりして飜数アップする牌をすべてあげなさい。
・・・・。
現在は待ちのピンフのみ。飜数アップの牌は、ツモ、打でドラの1飜、そしてが高目イーペーコーに変化。ツモ、打でが高目イーペーコーに変化。
ツモ、打でが高目イーペーコーに変化、ツモ、打で待ち、で高目イーペーコーに変化、ツモ、打でタンヤオに変化。
第3問
東3局西家、5巡目に2枚目のが出た。どう打つか?
ポンして切り。
ポンしてか切りでイーシャンテンだが、それではせいぜい2000点どまりになりそう。ピンズの落としでホンイツ狙いなら、ポンでマンガンが見えてくる。
第4問
東4局北家、7巡目にをツモって何を切る?
切り。
かか切りでテンパイだが、役なしのカン待ち。それよりはイーシャンテン維持の切りのほうがずっと魅力的なイーシャンテンになる。
のツモ、打でタンヤオピンフ、ドラ1はリーチでマンガン以上。
ツモならピンフの3メンチャン、高目でイッツー。同様にツモなら高目でイッツーになるピンフの3メンチャンになる。
引きでものノベタンの3メンチャンでリーチがかけられる。