イチから学んでステップアップ!東大式おもしろ麻雀塾

井出 洋介(いで ようすけ)
麻将連合所属
第15期将王、第2・4・12回BIG1カップ優勝/他多数
著書「これが東大式!はじめてでもよくわかる麻雀入門」「麻雀技術 守備の教科書 振り込まない打ち方」共著:小林剛「新版 東大式 麻雀に勝つ考え方」/他多数

第十九回「マンガンを狙ってみる」<初級者向け>
2023/05/17


そもそも、マンガンを漢字で書くと満貫で、最高限度額という意味でした。

たとえばリーチ、ドラ3の手だとすると40符4飜ですが、点数計算をちゃんとするとリーチの1飜、ドラ3の3飜に場ゾロ(無条件に加えたインフレルール)2飜を加えて6飜で、40×2×2×2×2×2×2=2560となり、出アガリならこれを4倍して10240点になるところを8000点に切り下げているのがマンガン制度でした。

そして飜数を数えることなくマンガンになったのが満貫役で、それが大三元、四暗刻、国士無双などの現在の役満です。

手役の飜数が増えたり、手役の種類も増え、さらにドラも増えるなどのインフレ化によってマンガンが簡単にできるようになると、マンガンの8000点を上限とせず、ハネマンや倍満を作り、満貫役を最高限度額の4倍満、32000点(親なら48000点)の役満に設定してきたのが麻雀の歴史なのです。

というわけで、昔に比べれば価値が下がってしまったマンガンですが、それでも1000点や1300点に比べれば高得点のマンガン、ツモアガれば子とは10000点、親となら12000点の差をつけられるのです。

そこで、今回のテーマは、マンガンを狙う打ち方です。

ここでは、リーチをかけてたまたま一発や裏ドラがあった場合のマンガンではなく、一発や裏ドラに頼らないマンガンということで見ていきましょう。

まずマンガンになるには、30符以上の手なら4飜が必要だし、「ピンフ・ツモ」や「チートイツ」の場合は5飜が必要になります。これを踏まえて、マンガンになる典型パターンをあげてみます。


(1)リーチ+3飜

これならば、ツモアガらなくても出アガリでマンガンになります。

3飜にはドラも含まれますから、ドラ3の手ならリーチで無条件マンガンになるし、ドラ2でも1飜つけてリーチでマンガンになります。

逆から言えば、リーチをかけても1飜役しかない手では、もう1飜増やすまでリーチをかけるのを我慢するのです。

たとえばA図、現在はタンヤオのみで待ちもカン七萬、あまり良い待ちではありませんね。


A図三萬三萬六萬八萬二筒二筒二筒四索五索五索六索六索七索九筒ドラ

このままではリーチをかけても一発や裏ドラがない限り、ツモってもマンガンにはなりません。でも、ここでたとえば赤五萬をツモってくれば、リャンメン待ちになる上に1飜アップして、ツモならマンガンになります。

それ以外でもツモ四索か、ツモ七索でイーペーコーによる1飜アップとなり、カン七萬のままでもリーチ、ツモならマンガンになります。そういった1飜アップの手替わりを待つ我慢をしてみてください。


続いてはB図、現在ピンフのみのテンパイ。


B図六萬七萬七萬八萬八萬九萬三筒三筒五筒六筒七筒五索六索一索ドラ

こちらも、このままのリーチではなかなかマンガンには手が届きません。しかし、よく見ると色々な手替わりチャンスがあります。

まずツモ五萬で567の三色チャンスとなり、高目の七索を期待してのリーチ。

また、ツモ六萬ならタンヤオとイーペーコーの2飜アップ、打九萬でリーチをかければ無条件のマンガン手になります。


(2)リーチ+ツモ+2飜役

A図やB図は、メンゼンテンパイでリーチをせず、手替わりを待つパターンでしたが、テンパイ以前の時点でマンガンを狙う場合の基本が、この2飜役狙いです。

この場合は、ドラがなくてもマンガンになりますが、もしドラがあればヤミテンでもマンガンが狙えるケースも多くなるので、2飜役狙いは大事です。


C図二萬四萬六萬七萬八萬九萬七筒八筒九筒二索三索三索七索三萬ツモ東ドラ

C図は三萬をツモってイーシャンテンになったところです。完全に孤立しているのは七索で、テンパイチャンスを広くと思えば七索切りになります。

しかし、この手牌はツモ八索九索で三色チャンスがあるのです。と同時にマンズのイッツーも一萬五萬のツモによって狙えます。となれば、三索をアタマに固定して二索切りで、イッツーか三色、どちらかの2飜役を見るのがマンガン狙いの打ち方になります。



(3)ホンイツ+役牌+ドラ

食い仕掛けのマンガン狙いは、2飜役のホンイツやトイトイの利用を念頭に置いておきます。特に役牌がトイツの場合、ドラのある色のホンイツを絡めればマンガンになります。

赤牌はマンズにもピンズにもソーズにもありますから、ドラ色でなくても自分の手牌に赤ドラがあれば、その色のホンイツ狙いを考えればいいですね。


D図二萬四萬六萬一筒一筒赤五筒六筒七筒九筒西西中中七索ドラ

D図は南家の手牌で、4巡目に2枚目の中が出ました。テンパイスピードならばポンして九筒切りでイーシャンテンですが、それだと2000点どまりになりそうです。

赤五筒があるので、ここはピンズのホンイツにすればマンガンが狙えます。

中をポンしてマンズを切っていきましょう。その際、赤五萬が入ったときだけテンパイに取れるよう二萬から切るのが赤ドラ対策。

もう1枚ピンズの有効牌をツモってくれば、マンガンのイーシャンテンに手を進めて四萬六萬を落とすのです。



復習・練習問題


第1問

東1局西家、6巡目に二索をツモって何を切る?

一萬三萬二筒三筒五筒七筒一索三索八索九索九索東東二索ツモ三筒ドラ
解答

五筒切り。
狙いは123の三色。ドラが1枚あるので、食ってもマンガンになるには、さらにチャンタ、役牌が必要となるので五筒七筒落とし。


第2問

東2局南家、5巡目にピンフのみのテンパイをしている。
手替わりして飜数アップする牌をすべてあげなさい。

八萬八萬二筒三筒四筒四筒五筒五筒六筒七筒七索八索九索一筒ドラ
解答

一筒四筒五筒八筒六索
現在は三筒六筒待ちのピンフのみ。飜数アップの牌は、ツモ一筒、打七筒でドラの1飜、そして六筒が高目イーペーコーに変化。ツモ四筒、打七筒六筒が高目イーペーコーに変化。
ツモ五筒、打二筒三筒が高目イーペーコーに変化、ツモ八筒、打二筒三筒六筒九筒待ち、三筒で高目イーペーコーに変化、ツモ六索、打九索でタンヤオに変化。


第3問

東3局西家、5巡目に2枚目の白が出た。どう打つか?

二筒三筒二索三索三索四索六索東東北北白白六萬ドラ
解答

ポンして三筒切り。
ポンして三索六索切りでイーシャンテンだが、それではせいぜい2000点どまりになりそう。ピンズの二筒三筒落としでホンイツ狙いなら、東ポンでマンガンが見えてくる。


第4問

東4局北家、7巡目に四筒をツモって何を切る?

二萬三萬四萬二筒三筒五筒六筒七筒八筒六索六索七索九索四筒ツモ二萬ドラ
解答

九索切り。
二筒五筒八筒切りでテンパイだが、役なしのカン八索待ち。それよりはイーシャンテン維持の九索切りのほうがずっと魅力的なイーシャンテンになる。
二筒五筒八筒のツモ、打六索でタンヤオピンフ、ドラ1はリーチでマンガン以上。
ツモ一筒ならピンフの3メンチャン、高目九筒でイッツー。同様にツモ九筒なら高目一筒でイッツーになるピンフの3メンチャンになる。
五索八索引きでも二筒五筒八筒のノベタンの3メンチャンでリーチがかけられる。