2023年10月、中国成都で開催された第2回世界ウェルネスマージャン大会に行ってきました。日本式のウェルネスマージャン・スマートルールと、日中ミックスのウェルネスマージャン・ホリールールを2日間にわたって打ったのですが、このホリールールに取り入れられている四川麻雀は、現在、成都を中心に大流行しています。それが、驚くべきものなのです。
4人で打ち、誰かが最初にアガってもそこでゲームは終わらず、そのまま継続して、2人目がアガっても更にゲームを続行、3人目がアガるか、流局するまでやるのです。
字牌は使用せず、チーもなく、王牌もなく最後まで取り切りです。
ホリールールは字牌も入れて、チーもありで日本式に寄せていましたが、1飜なくてもアガれるし、フリテンはなく、リーチもドラもないといったところは中国式でした。
いずれにせよ、最大の違いはアガリが出た後も続行するところでしょう。麻雀の多様性というか、実は世界中で多種多彩なルールで楽しまれていることをあらためて実感させられました。
さて、この講座は勿論、日本ルール限定でのお話です。
日本ではリーチがありますから、メンゼンでテンパイしたとき、リーチをかけることがとても多いですね。今回は、そのときの宣言牌について考えていきます。
ごく普通に手を進めた場合、メンツ作りに必要な牌が手に残っていくので、テンパイ時に捨てられる牌は手牌に関係することが多くなります。
たとえばA図ならば、ツモでテンパイしたとき、
切りならば
と
のシャンポン待ち、
切りならばカン
待ちですから、いずれにせよ切った牌のそばの牌がロン牌になっています。
B図ならば、テンパイのために切る牌はか
です。
切りならばそのスジ牌の
待ちになるし、
切りでは
待ちで、やはり同じ色(ソーズ)の関連牌なのです。
勿論、全部が全部、こうなるわけではありません。
たとえばC図。
この場合はと
へのくっつきテンパイを待つイーシャンテンで、
をツモったので捨てられるのは
、待ちは
ですから、捨て牌と待ち牌は全く関係がありませんね。
またD図の場合ではとても広いイーシャンテンですが、何が入るか(何をツモってくるか)によって捨て牌と待ちの関係が変わってきます。
テンパイチャンスは・
・
、
・
、
で、
が入った場合は、捨て牌がマンズ(
か
)で
待ちになるから、捨て牌とは関係のない待ちになりますが、先に
が入った場合は、
切りでの
待ちか
切りで
と
のシャンポン待ちになります。
ごく普通の状況ならば切りで
のリャンメン待ちにすることでしょう。
捨て牌がで、それをまたぐ
待ちですから、まさに俗にいう「そばテン」になります。
チートイツの場合は、最後は1種待ち(タンキ待ちのようなものですが、本来のタンキ待ちはアタマ待ちなので、敢えてこう表現しておきます)になるので、捨て牌と待ち牌の関連性は薄いですね。たとえばE図なら、を切っての
待ち、あるいは
を切っての
待ちになるわけですから。
また、時にはこんなケースもあります。F図のように、イーシャンテンで形が決まっていて、・
・
、
・
のどれが入っても北を切ってリーチというパターンです。これだと宣言牌が関連牌になりません。
ここまで見てきたのは、とりあえずメンゼンで、テンパイ即リーチといった場合の宣言牌と待ち牌の関係です。宣言牌は決して、すべて待ちと関連するわけではありませんが、何割かは、待ち牌が宣言牌と関連するケースが出てくることがおわかりになったと思います。だからこそ、リーチ宣言牌の関連牌には、十分注意することが必要になるのです。
第1問
上図の捨て牌のリーチ、待ちは宣言牌に関連するリャンメン待ちでした。何待ちでしょうか。
・
待ち。
宣言牌がなので、これに関連するリャンメン待ちは
待ちだけ。いわゆる「そばテン」のパターン。こんな手牌だった。
第2問
ドラは。西家が上図の捨て牌でリーチ。下図の手牌の北家で、特に警戒すべきリーチ宣言牌の関連牌は何か。
・
・
。
は宣言牌
のスジ牌だが、ドラが
ということもあり、
からの
切りも十分考えられる。また
からの
切りなら
・
待ち、
からの
切りなら
・
待ちが残るのだから、
も
も
も待ち牌の可能性はある。
第3問
現在イーシャンテンの手牌。何をツモってくれば、リーチ宣言牌が待ち牌と関連しないようになるか。すべてあげよ。
・
・
・
。
ツモならば
切り、
か
をツモれば
切り、
をツモれば
切りで
・
待ちになる。先に
・
をツモってくると
切りになるが、その場合
のそばテンが残る。
第4問
東場の東家のリーチでオタ風と関連牌のシャンポン待ちだった。何待ちだったか推理せよ。
と
か
。
と
は捨てられているので、残っているオタ風は
。リーチ宣言牌の関連牌でシャンポン待ちとなると、
からの
切りか
からの
切り。
ならば、
切りではなく
切りで
待ちのリャンメン待ちにすることのほうが多い。同様に
からならば、
切りよりも
切りで
のリャンメン待ちにすることのほうが多い。