初心者の頃、いきなり13枚の配牌をもらって、それが結構バラバラだと、何を切るのがいいのかわからず悩むことでしょう。
孤立した字牌があればひとまずそれを切っておけば良さそうですが、それが役牌だと、そうとは限りません。
たとえばA図。
東場の南家だとしましょう。
トイツのはアタマの候補にもなりますし、
は
がくればシュンツ完成になるので、マンズの牌はすべて残すべきですね。ソーズもリャンメンとカンチャンですが、あと1枚くればシュンツ完成となる形(ターツ)ですから、これを切るのも論外でしょう。
そして、
、
は孤立していますが、どれも役牌なので、もしトイツになればポンで1飜が確保される特別な牌でもあります。
手牌全体を見て、どこで4メンツとアタマを作ればいいかがまだ見込めないので、こんなときこそ残り3枚ずつ、計9枚のうち1枚ツモってトイツにできればポン材となる役牌を残しておく意味があるのです。
それに比べてはどうでしょう。
や
は孤立していると言っても隣の牌がくっつけばリャンメンができますが、
に関しては
をツモってもペンチャンができるだけ。しかも
がなくても
があるので、ツモ
でもカンチャンとして生かすことができます。
がトイツになっても、役牌ではありませんからポンしても役はつきません。ならば、役牌を残したほうが良いですよね。
ということで、A図ならば孤立字牌よりもを切ったほうが良いということがわかるでしょう。
アガリの基本はアタマと4メンツですから、配牌の時点でどこでそれを作れるかの構想を立てるのが重要です。
B図をご覧ください。
東2局、東家の配牌です。ここから切るのは簡単でしょう。オタ風のが孤立牌ですから、素直に
切りで問題ありません。
それだけでなく、今後どうなっていくかも考えて欲しいのです。
をポンして1飜確保の1メンツ、ドラの
を含むシュンツで1メンツ、ピンズの
で1メンツまたは
がアタマ、これくらいは計算できるでしょう。
でもまだ足りません。あと2メンツ、あるいは1メンツとアタマが必要です。
それを残っているから作ることができて初めてメンツ構想が成り立つのです。
ここまでわかれば、その後のツモによる対処が楽になります。
たとえばツモでリャンメンができれば、ひとまず孤立している
を切り、
次にツモでC図になりました。
まだ完成メンツはありませんが、孤立牌がなくなったので、ここからは無駄のない整理が必要になります。こんなときは、悪形から処理するのが原則です。
悪形とはペンチャンやカンチャンのことで、カン、ペン
がそれにあたります。
をツモったことで、この
はアタマの候補にもなるので、ペン
だけを嫌って打
。
ツモでピンズが好形になったところで3メンチャンに決める打
でこうなりました。(D図)
ここまでくれば、かなりわかりやすい形でしょう。
が出てポンならばイーシャンテンで、カン
を嫌う
落とし。
先にカンをツモったときには、最高形を求めて
のトイツを落とし、ピンフ、タンヤオのイーシャンテンに構えるでしょう。
その前に、
ツモの場合は、タンヤオが崩れてピンフも不確定である以上、
ポンの1飜を優先して
落とし。
と
のシャンポン形のメンゼンテンパイでリーチという最終形も見えてきます。
このように、常に4メンツ(とアタマ)をどこで作っていくかを意識しておくことが、特に序盤から中盤にかけては大事です。
第1問
東1局南家、1巡目にをツモって何を切るか?
切り。
完成メンツがまだなく、マンズで1メンツ、ピンズで1メンツ、ソーズでアタマと1メンツを見込んだとしても、まだ1メンツ足りない。
自風のと役牌の
が重なると嬉しいので、それらを残してオタ風の
を切っておく。
第2問
東2局南家、2巡目にをツモって何を切るか?
切り。
序盤でソーズが1枚もなく、このツモでピンズのイッツー狙いが見えてきた。イッツーならばピンズで3メンツとなり、残りは1メンツとアタマを作ればよい。だが、ここで
や
を切ってしまうのは、ちょっともったいない。重なればホンイツも狙えるからだ。その可能性を残しながら、マンズでシュンツができれば、それも良しという構えにする
切りがおすすめ。
第3問
東3局西家、2巡目にをツモって何を切るか?
切り。
2巡目にして孤立字牌がなく、ここでしっかりと4メンツの構想を立てることが大事。ピンズのイッツー狙いに目が行きそうだが、こののツモでピンズとソーズで234のシュンツが完成、さらに
もあることから、234の三色チャンスでもあることに気づかなければならない。
マンズは1枚しかないからと、あっさりを手放すことなく、他の打牌候補を探したい。234の三色になるには
は1枚あれば良いと考えて
を切っておく。これでイッツーのときのアタマ候補こそなくなるが、幅広い対応ができそうだ。
第4問
東4局東家、2巡目にをツモって、何を切る?
切り。
メンツ構成を考えると、がアタマで、マンズ1メンツ、ピンズ1メンツ、ソーズ2メンツが見込めそうなので、
を切っても問題なさそうに見えるかもしれない。しかし、この手の最高形であるチャンタ、123の三色まで見ることができれば、ここは完全孤立牌の
切りで良さそうだ。
ツモ次第でピンフ、ドラ1程度になってしまうかもしれないが、ここでの切りで大物手を逃したくない。