イチから学んでステップアップ!東大式おもしろ麻雀塾

井出 洋介(いで ようすけ)
麻将連合所属
第15期将王、第2・4・12回BIG1カップ優勝/他多数
著書「これが東大式!はじめてでもよくわかる麻雀入門」「麻雀技術 守備の教科書 振り込まない打ち方」共著:小林剛「新版 東大式 麻雀に勝つ考え方」/他多数

第二十七回「4メンツとアタマをどこで作るか」
<初級者向け> 2025/02/10

初心者の頃、いきなり13枚の配牌をもらって、それが結構バラバラだと、何を切るのがいいのかわからず悩むことでしょう。

孤立した字牌があればひとまずそれを切っておけば良さそうですが、それが役牌だと、そうとは限りません。

たとえばA図。


A図一萬一萬四萬六萬三筒六筒九筒二索三索六索八索白発中ツモ八萬ドラ

東場の南家だとしましょう。

トイツの一萬はアタマの候補にもなりますし、四萬六萬五萬がくればシュンツ完成になるので、マンズの牌はすべて残すべきですね。ソーズもリャンメンとカンチャンですが、あと1枚くればシュンツ完成となる形(ターツ)ですから、これを切るのも論外でしょう。

そして白発中は孤立していますが、どれも役牌なので、もしトイツになればポンで1飜が確保される特別な牌でもあります。

手牌全体を見て、どこで4メンツとアタマを作ればいいかがまだ見込めないので、こんなときこそ残り3枚ずつ、計9枚のうち1枚ツモってトイツにできればポン材となる役牌を残しておく意味があるのです。

それに比べて九筒はどうでしょう。三筒六筒は孤立していると言っても隣の牌がくっつけばリャンメンができますが、九筒に関しては八筒をツモってもペンチャンができるだけ。しかも九筒がなくても六筒があるので、ツモ八筒でもカンチャンとして生かすことができます。九筒がトイツになっても、役牌ではありませんからポンしても役はつきません。ならば、役牌を残したほうが良いですよね。

ということで、A図ならば孤立字牌よりも九筒を切ったほうが良いということがわかるでしょう。


アガリの基本はアタマと4メンツですから、配牌の時点でどこでそれを作れるかの構想を立てるのが重要です。

B図をご覧ください。


B図三萬五萬八萬九萬二筒二筒三筒六筒四索七索八索西中中八索ドラ

東2局、東家の配牌です。ここから切るのは簡単でしょう。オタ風の西が孤立牌ですから、素直に西切りで問題ありません。

それだけでなく、今後どうなっていくかも考えて欲しいのです。

中をポンして1飜確保の1メンツ、ドラの八索を含むシュンツで1メンツ、ピンズの二筒二筒三筒で1メンツまたは二筒がアタマ、これくらいは計算できるでしょう。

でもまだ足りません。あと2メンツ、あるいは1メンツとアタマが必要です。

それを残っている三萬五萬八萬九萬六筒四索から作ることができて初めてメンツ構想が成り立つのです。

ここまでわかれば、その後のツモによる対処が楽になります。

たとえば五筒ツモでリャンメンができれば、ひとまず孤立している四索を切り、

次に八萬ツモでC図になりました。


C図三萬五萬八萬九萬二筒二筒三筒五筒六筒七索八索中中八萬ツモ

まだ完成メンツはありませんが、孤立牌がなくなったので、ここからは無駄のない整理が必要になります。こんなときは、悪形から処理するのが原則です。

悪形とはペンチャンやカンチャンのことで、カン四萬、ペン七萬がそれにあたります。

八萬をツモったことで、この八萬はアタマの候補にもなるので、ペン七萬だけを嫌って打九萬四筒ツモでピンズが好形になったところで3メンチャンに決める打二筒でこうなりました。(D図)


D図三萬五萬八萬八萬二筒三筒四筒五筒六筒七索八索中中

ここまでくれば、かなりわかりやすい形でしょう。

中が出てポンならばイーシャンテンで、カン四萬を嫌う五萬三萬落とし。

先にカン四萬をツモったときには、最高形を求めて中のトイツを落とし、ピンフ、タンヤオのイーシャンテンに構えるでしょう。

その前に一筒九索ツモの場合は、タンヤオが崩れてピンフも不確定である以上、中ポンの1飜を優先して五萬三萬落とし。中八萬のシャンポン形のメンゼンテンパイでリーチという最終形も見えてきます。

このように、常に4メンツ(とアタマ)をどこで作っていくかを意識しておくことが、特に序盤から中盤にかけては大事です。

復習・練習問題


第1問

一萬三萬五萬五筒七筒八筒一索一索四索六索八索北白南ツモ一索ドラ

東1局南家、1巡目に南をツモって何を切るか?

解答

北切り。
完成メンツがまだなく、マンズで1メンツ、ピンズで1メンツ、ソーズでアタマと1メンツを見込んだとしても、まだ1メンツ足りない。
自風の南と役牌の白が重なると嬉しいので、それらを残してオタ風の北を切っておく。


第2問

六萬七萬七萬一筒三筒四筒五筒六筒八筒西西発中九筒ツモ二索ドラ

東2局南家、2巡目に九筒をツモって何を切るか?

解答

七萬切り。
序盤でソーズが1枚もなく、この九筒ツモでピンズのイッツー狙いが見えてきた。イッツーならばピンズで3メンツとなり、残りは1メンツとアタマを作ればよい。だが、ここで発中を切ってしまうのは、ちょっともったいない。重なればホンイツも狙えるからだ。その可能性を残しながら、マンズでシュンツができれば、それも良しという構えにする七萬切りがおすすめ。


第3問

二萬一筒二筒三筒四筒六筒六筒八筒九筒二索二索四索六索三索ツモ九萬ドラ

東3局西家、2巡目に三索をツモって何を切るか?

解答

二索切り。
2巡目にして孤立字牌がなく、ここでしっかりと4メンツの構想を立てることが大事。ピンズのイッツー狙いに目が行きそうだが、この三索のツモでピンズとソーズで234のシュンツが完成、さらに二萬もあることから、234の三色チャンスでもあることに気づかなければならない。
マンズは1枚しかないからと、あっさり二萬を手放すことなく、他の打牌候補を探したい。234の三色になるには二索は1枚あれば良いと考えて二索を切っておく。これでイッツーのときのアタマ候補こそなくなるが、幅広い対応ができそうだ。


第4問

一萬二萬四萬六萬一筒三筒五筒二索三索七索八索北中北ツモ三索ドラ

東4局東家、2巡目に北をツモって、何を切る?

解答

中切り。
メンツ構成を考えると、北がアタマで、マンズ1メンツ、ピンズ1メンツ、ソーズ2メンツが見込めそうなので、一萬を切っても問題なさそうに見えるかもしれない。しかし、この手の最高形であるチャンタ、123の三色まで見ることができれば、ここは完全孤立牌の中切りで良さそうだ。
ツモ次第でピンフ、ドラ1程度になってしまうかもしれないが、ここでの一萬切りで大物手を逃したくない。