<リャンカン形>に強くなりたいと思いませんか?
打っていると頻繁に訪れる<リャンカン形>ですが、和了に向けての処方箋を知っていればかなり有利になるでしょう。
<リャンカン形>には3パターンありますから、まずはそのパターン分けから。
Aパターン 357
Bパターン 135 579
Cパターン 246 468
ABCはそのまま<リャンカン形>の強さになっています。
いまさらではありますが、和了しやすい数牌もパターン分けしておくと。
Aランク 1・9
Bランク 2・8
BCランク 5
Cランク 4・6
Dランク 3・7
これが基本です。
ですから打ち手は和了牌のターゲットを1・9、2・8に置いてテンパイを組んでいきます。
ところが、赤牌やドラによってその意思は揺らぎ、C・Dランクの待ちになって和了が少し遠ざかってしまうのです。
・
・
などの待ちになると喜び勇んでリャンメンへの安心感からリーチをかけるわけですが、相手から出てきやすい数牌ではないため(CランクやDランクであるため)ツモ和了に頼らざるを得ないことになるのです。
もちろんこれはあくまでも基本的な数字の話なので、彼我の運量の差や、場況の有利不利などによって和了率は変わってきます。
ただそれらの要素を加えての判断は相当な能力が必要とされますから、今回の話は数牌の基本的な考えに基づいたものになります。
<リャンカン形>のAパターンに357を据えた意味から入りましょうか。
357を単純に見れば、4と6がシュンツになる数牌ですから、Cランクの数牌を待つというだけの話なのですが、その後の変化を考えることも必要です。
357の3に2や1がくっつけば
23・13という形になりますから、1や2が待てる好形変化です。
好形と言うと、すぐにリャンメン形や3メンチャン形をイメージされる方も多くいらっしゃるでしょうが、和了に近づく形、つまりロンしやすい数牌で待てる形を好形とします。
357の7に8や9がくっついても同じことになります。(78・79)
ですから、357という<リャンカン形>は、好形作りにはうってつけの形であることを意識して欲しいのです。
他の形との関係で(もしくはテンパイしてしまって)この<リャンカン形>から1枚外さなければならないときは、357から3や7を外すのではなく、5を外して3や7を孤立させておけば好形作りの準備完了ということになります。
次にBパターンの135と579について
この<リャンカン形>はBランクとCランクを待っている形なので、いざこの形から1枚外さなければならないときは5を切ってBランクの数牌を待つ好形にしておけばいいのですから割と簡単かもしれません。
ただ、世にはリャンメン好きな方も多く、135から1や、579から9を切って35、57という形にしておいてから6や4をくっつけてのリャンメン変化を狙うわけですが、その時の待ちがC・Dランクの待ちですから和了がやや遠のいてしまいます。
いついかなるときも、和了に近づける選択を心がけたほうが賢いわけで、時として赤牌切りを敢行しての2や8待ちもOKという判断が求められることも覚えておきましょう。
ここで誤解して欲しくないことがひとつあります。
135から5を切っての2待ち、579から5を切っての8待ちが、いわゆるスジ待ちになるから和了しやすいと考えての5切りではないこと。
あくまでも和了牌ターゲットのBランクに当たる2や8待ちにできるから、5を手放すという考えかたであることを忘れて欲しくありません。
さて最後にCパターンの246と468についてお話しておきましょう。
この<リャンカン形>は、BCランクとDランクの数牌を待つ形です。
賢明な読者の皆さんであればすぐにおわかりいただけることでしょう。
246から6を切ったり、468から4を切ったりしてスジ待ちしてほくそ笑んでいては和了率が下がってしまいます。
3や7という数牌は、ロン和了しやすいAランクの1・9、Bランクの2・8で待てる形の<肝牌>なので、基本的には使いたい牌の筆頭ということになりますから、スジ待ちになっていても使用中ということが多いのです。
ですから、246や468から1枚外す場合には2や8を切って46という形にしておく選択が賢明です。
仮にテンパイ時の選択になったときには、2や8を切ってカン5待ちリーチが、スジ待ちのカン3やカン7よりもランクがひとつ半上なので和了しやすいはずです。
よく赤牌が来たらいいな・・・などという欲望でカン5待ちリーチをかけている人がいますが、それはオマケの話で、実は理に適ったカンチャン待ちリーチになっているのです。
東2局 東家 4巡目の手牌です
こんなとき、皆さんは何を切りますか?
「親だから・・・」
「喰いタンヤオもできるし・・・」
「早くテンパイさせるには・・・」
「ドラドラだから・・・」
等々が頭の中を駆け巡り、孤立しているに手をかけるのではないでしょうか。
アタマがあって4組完成させれば和了という大原則があるのに、アタマがあって早く3組完成させてテンパイさせたい、という考えかたに走ったりしてはいませんか?
和了率をアップさせるためには、和了しやすい待ちを作り出すことが最優先されます。
この手牌の急所は?と問われれば
という<リャンカン形>の部分であることは明らかです。
「いやいや、ここはチーすればいいから急所にはならない」と考える人も多いのですが、打ち手の能力アップに欠かせないのは、メンゼンで和了していく手順です。
他力で和了しても同じことだろうと考えていると、いつまでたっても堂堂めぐりの頭打ちな打ち手になってしまいます。
もう1度手牌をご覧ください。
ここから何を切ればいいのか?
切り。
これが私のオススメです。
手牌14枚の中から、1番待ちにしたくないところを切り離していけば和了は近づきます。
えっ?!もし引いて裏目になったら困るじゃないですか、というあなたへ。
裏目を恐れて穴埋めパズルをしているほうが上達の妨げになることをもっと強く自覚したほうがいいと思います。
裏目はいつだって起こりますから、そんなことを気にしていたらいけません。
「もったいない・・・」
この気持ちがあなたの成長を妨げていることに気づいてください。
孤立牌のと
の比較。ここがこの手牌の<肝>になっています。
に
や
が引ければ、和了に近づく待ちが生まれます。
そうなるとマンズは手牌から消えていきます。
こんな形に変化することもあります。
この手牌は、カンのイーペーコーの部分を2組のシュンツと想定せずに、アタマと1シュンツとしたほうが柔軟かつ現実的です。
穴埋め式にこの手牌を解法する人は
カンやカン
をチーして
もしくはカンが鳴けて
という他力本願テンパイになっていたりしますが、そもそもの
をアタマで使ってしまうところが問題なのです。
から
を切って
と構えておけば優秀なリャンメン形になる(BランクとBCランクで待てる)わけですから、穴埋め式の弱点を補うことができます。
おさらいです。
<リャンカン形>には3パターンあって、Cパターンの246と468の扱いには特に腕が試されます。
いつまでもDランクの3・7を待つ24や68の形を残さず、早め早めに見切る2や8切りを敢行して46にしておけば手牌は和了に近づきます。
裏目を恐れず<リャンカン形>に強くなりましょう。