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土田浩翔プロ 特別書き下ろしコラム
14人の師

(つちだ こうしょう)
土田浩翔 第11、22期鳳凰位・第22、23期十段位、第26期王位/他多数
著書「土田流麻雀 仕掛けを極める」
「最強麻雀土田システム」
「麻雀が強くなるトイツ理論」

第四打「新年度の誓い」2011/4/8

新年度がはじまり、気分も新たに牌と向き合うにあたって、私の抱負をまず書き記しておきたいなと思います。

いわゆるマニフェストであり、公約しておかないと、このズボラな性質ゆえ、いつのまにか記憶の彼方に消え失せてしまう心配があるため、書き記しておきます。


(一)牌を大切に扱う

こんなことマニフェストに記すこと自体おかしな話なのですが、まるじゃんライブ放送をご覧いただいている方は、とりわけよくご存知かと思われますが……。

とにかく[喜怒哀楽]の激しい性質ゆえ、対局中に我を忘れることしばしばなのです。

するとどうなるかと申しますと、大変お恥ずかしい話になりまして、牌を強打したり、無造作にポイと捨てるような切り方になったり、ツモってきた牌をダラリと手牌の右端にくっつけたり、それはそれはもう見てられない醜態をさらしているのです。

えっ?!アナタそれって普通のマージャン好きのオッサンのすることよ、と言われて当然のお粗末な摸打に今年は[喝]を入れようと思っています。

イヤ、入れなければならないのです。

そして、136枚の牌たちに愛される打ち手になりたいなと思うのです。


(二)対局者への敬意を忘れない

リアルであろうとバーチャルであろうと、一期一会かもしれない卓を囲む方々に、一緒に共有できる時間が生まれたことを感謝する気持ちと、見ず知らずの誰であれ、打ち手としてリスペクトしていくことを誓います。

『あのときアイツがあれさえポンさせなければ、あんなヒドイことにならなかったのに……』とか、『あそこであんな放銃するかなあ』とか、ともすれば敗因を一緒に卓を囲んだ対局者になすりつけることがありました。

でも、そんなところで愚痴をこぼしたところで何のたしにもなりませんし、かえって心が揺れてボロボロになるだけです。

私も今年52歳になります。あと現役で何年打てるものやら……プロ引退のカウントダウンが始まっているわけですから、一緒に卓を囲んでくれた人たちに、たった一人でも嫌な思いを抱かせたら[プロ失格]だなと言い聞かせていくつもりです。

自分の心の中にある[ワガママ]と[甘え]を消していけば、このマニフェストは実行可能かなと思います。


(三)姿勢の崩れを見せずに打つ

このマニフェストに関しては完全履行は難しいかもしれませんが、努力目標の意味をこめて掲げておきます。

なぜ難しいかと言えば、体を鍛えなければ実現が困難だからです。

ヨガとか気功とかジムとか、定期的に時間をとって通えるタチではない私は、腹筋と背筋、そして上腕の強化を自宅でやらなければなりません。ストレッチをして鍛えることになるのでしょうが、果して継続的に出来るものなのか、まったくと言っていいほど自信がありません。

でも、腹筋や背筋を強化しないと、対局中左肘を椅子について(言わゆる片肘をついて)打つという、アスリートとしてあってはならない姿勢の崩れを見せてしまうことになるのです。

やはり対局中は、背筋をピーンと張って、[正中面]を意識し、卓を見る視線の角度がズレない姿勢で、始まりから終わりまで打ち続けられることが大切なのです。

今までも、わかっていながら出来なかった、というか継続する根性に欠けていましたから、今年は本気で取り組んでいこうと思っているわけなのです。


(四)発声は明瞭に行なう

なんだかマージャン教室の生徒さんに教えている内容で恥しい気持ちになりますが、《第35期最高位決定戦》で見事最高位に就き、三冠王にもなった村上淳プロの闘牌姿を見ていて触発されました。

とにかくどんな状況に置かれていても、村上プロの発声行為は小気味良さを保ってました。明確でありながら威圧的でないその発声に私は魅せられたと同時に、プロは愛好者のお手本にならなければいけない存在なのに、私は何なんだ??という反省から、この誓いを立てたのです。

守られて当然のことでありながら、五十の手習いとして、初心に還って、良い発声を心がけていきたいなと思っています。


(五)挨拶をきちんとする

おいおい、アナタ何考えてるの?と言われそうですが、私とても真剣に記しています。

いままでどうして疎かにしてきたのか、自分でも笑ってしまうくらい情けない話ですが、挨拶について真剣に考えたことが無かったのです。

まず、対局場へ入るときの挨拶。これがほとんど出来てなかったのですからお笑い草です。どんなプロの世界であれ、自分がプレーする[場]に対して敬意を払わない競技者なんて存在しないでしょう。

麻雀店であれ、特設会場であれ、アミューズメントスペースであれ、対局場に入る際には必ず挨拶することを誓います。

もちろん、対局開始と終了の挨拶も、対局者に対する礼儀として励行しますが、卓や牌に対してもきちんと挨拶したいなと思います。

そして対局場を後にするとき。忘れがちですが、ここをおざなりにしてしまうと、すべてが水泡に帰してしまうので、マージャンの世界に携わらせていただいていることに感謝の意をこめて挨拶します。

[礼に始まり、礼に終わる]、この精神を実践していくということになるわけですが、[言うは易し、行うは難し]でありまして、かなり強く自分に言い聞かせて取り組まなければ、かけ声倒れになるなと思ってます。


(六)〈位〉の高いマージャンを打つ

(一)〜(五)までのマニフェストを実行したうえで、和了という最終目標に向かうとき、できうるかぎり私自身の〈思想〉を投影し、欲望に支配されない打ち方をしていく。もちろん今までもそういう意識は持っていましたが、今年はより鮮明に打ち出していきたいなと考えています。

4メンツ1雀頭を正確無比に作り上げる技術を封印し、私自身の美学に添った[最終形]を目指して打っていきたいなと思います。

目先の和了、目先のトップ、目先のラス脱出に心奪われることなく、第一打から最終打まで、至高の作品を作り上げる意識で打っていきたいなと思います。

プロ仲間から笑われてもいいから、愛好者の方々から、「また見てみたいな」とか、「アガれなかったけど面白いよね」とか、勝ち負けから離れたところでもその存在価値が認められる打ち手でいたいなと思います。

古くさい言い方になってしまいますが、『武士は喰わねど高楊枝』のような構えで打てたらいいなと思うわけなのです。

以上、六つのマニフェストを記してしまった私は、公約の金縛り状態に陥ることも覚悟しています。

それによって好成績を収められないどころか、黒星街道真っしぐらということも十分考えられますが、それでもいいと思っています。

現役プロとしての余命をどう生きればいいのか?という大命題の前には、黒星街道など取るに足りないことなのです。

本来であれば、第四打には「字牌たちの叫び声:後編」を書き連ねなければならなかったのですが、新年度を迎えた私の思いを伝えたかったのでご容赦ください。

第五打でこの償いはさせていただきます。

私の対局風景を何かの折に見かけることがありましたら、マニフェストがどれくらい実行されているのか、冷やかし半分に見てやってください。

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