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土田浩翔プロ 特別書き下ろしコラム
14人の師

(つちだ こうしょう)
土田浩翔 第11、22期鳳凰位・第22、23期十段位、第26期王位/他多数
著書「土田流麻雀 仕掛けを極める」
「最強麻雀土田システム」
「麻雀が強くなるトイツ理論」

第二十三打「ダブリーをかけない選択」 2015/05/22

ダブルリーチをかけられるチャンスは滅多に訪れるものではありません。

打点的にも、表ドラか裏ドラが1枚あれば子で5200、親で7700の勘定以上になりますから、よほどの事情がないかぎり、そのチャンスを無下に拒むことはないと考えるのが普通です。

A~Dの手牌がやってきたとします。

あなたはダブルリーチを拒むことがありますか?

A 東3局東家 ▲3200

四萬五萬六萬七萬七萬七萬二筒二筒二筒四筒五筒六筒三索西 九萬ドラ

B 東4局南家 +2600

二萬四萬五萬六萬七萬二筒三筒四筒五筒赤五筒五筒三索四索 三索ツモ 七筒ドラ

C 南1局西家 ▲1500

七萬八萬一索一索一索二索三索三索五索六索七索八索八索 八索ツモ 七萬ドラ

D 南2局北家 +6300

二萬二萬三萬三萬七萬一筒一筒三筒四索四索六索六索中 中ツモ 九索ドラ

ダブルリーチは雀神からの贈り物と考える人は迷うことなく第1打を横に曲げていることでしょう。

そう考えなくても、東家・南家で18巡、西家・北家で17巡もあるわけですから、どんな待ちになっていてもアガれる可能性はかなりあると踏んで横に曲げる打ち手も多いような気がします。

Aの手牌から見ていきましょうか。

『親のダブリーをかけぬ愚か者』、そんな諺があったか無かったかは知りませんが、三索タンキでかけないまでも、西タンキでダブリーに踏み切る打ち手は多いはずです。

経験的に、ダブリーにチートイが多く見られ、字牌タンキで放銃したことも1度や2度で済まない打ち手であっても、やはり親のダブリーに対して、数牌よりオタ風の西を優先的に処理するのは自明の理といえるでしょう。

ですからタンヤオの付く三索タンキのダブリーより、1ハン下げてでも西タンキでダブリーをかける打ち手が多くなるのは当然といえば当然なのです。

もちろん、タンヤオの1ハンを重く見て、三索タンキで堂々とダブリーをかけることを否定するわけではありません。

ダブリーをかけた後に六索を引いてきて後スジ待ちになることもありますし、ある程度手の整った子方が前に出て三索を放ってくれることも十分あり得る話です。

ましてや子方にとって、親のダブリーほど脅威を感じるものはなく、西タンキであれ三索タンキであれ、ダブリーをかけない選択肢は存在しないように思えます。

でも、私はかけません。

なぜならダブルリーチもリーチのひとつに過ぎないと考えるからです。

もちろん1ハンUPする魅力はありますが、リーチをかける動機としては希薄に思えるからです。

ドラ無しの愚形テンパイ、もしくは1手替わりで魅力的なテンパイに変化する手牌が、ドラが1枚増えただけでリーチをかけるのか?と問われれば、私は「かけません」と答える打ち手なので、ダブリーの1ハンUPに誘惑されることは少ないほうなのです。

リーチをかけるという行為は、《運を動かす》行為だと考えています。

ですから、中途半端な形や気持ちのままリーチに踏み切ることはしません。

そしてよほどの事情(オーラス近くとか、逃してはならない親番とか)がないかぎり、イチかバチかのリーチもかけません。

元々、『麻雀はアガるために打つゲームではない』、『麻雀は運を育て、自身を育てるためにするゲーム』という持論があるので、ダブリーとて、手牌全体をよく吟味してからかけるようにしています。

つまり、『親だから…』とか『ダブリーだから…』という動機だけでかけることはないということなのです。

四萬五萬六萬七萬七萬七萬二筒二筒二筒四筒五筒六筒三索西 九萬ドラ

この親の配牌からは第1打に三索を切り(第1打に字牌は切らない主義のため)、ワンズの三萬五萬六萬八萬引き、ピンズの三筒四筒七筒引きを待ってからリーチをかけるか、ソーズの五索六索あたりを引き込んでの三色テンパイを狙っていきます。

九萬一筒引きの変則2メンテンパイは狙いから外れるのでツモ切りテンパイとらず策とします。

ではBの手牌はどうでしょう。

赤1枚入りのタンヤオテンパイのダブリー手牌ですが、私はリーチをかけません。

Aとは違って、同じ尖張牌(3や7)待ちですが、こちらは不使用のカンチャン待ちなので、アガり易さ(ツモり易さも含めて)はBのほうがかなり有力です。

でも、私は『育てる』ことを念頭に打っていくタイプの打ち手なので、第1ツモの三索をツモ切りして配牌の形に戻します。

二萬四萬五萬六萬七萬二筒三筒四筒五筒赤五筒五筒三索四索 七筒ドラ

三萬を引いてしまうと後手感はありますが、狙いの234三色テンパイになりますから、五筒を切って納得のリーチが打てます。

もちろん、そうならなくても、 二萬四萬七萬 を引いて 二索五索 待ちに組み替えられればリーチを打ちます。

打点的には、ダブリーのマンガン確定リーチより落ちる可能性すらありますが、最終手牌の牌の並びが違うところに力点を置いているので、全く問題ありません。

私が思う麻雀は、局が終わったときの、自分の河と最終手牌の顔がどんなものになっているのか?その顔色によって次局以降の手筋を考えていくというものです。

ですから、アガれる局はもちろんのこと、80%弱のアガれない局の顔作りに注力したいと考えながら打っています。

リーチをかけて顔作りに終止符を打ったとき、そのリーチが空振りに終わっても、次局以降に汚れを残さない顔にしておきたい、そう考えながら打っているのです。

Cの手牌はどうでしょうか?

いくらドラが七萬とはいえ、ダブリーに踏み切らず、第1打に八萬を打って次の形にする方が多いのではないでしょうか。

七萬一索一索一索二索三索三索五索六索七索八索八索八索 七萬ドラ

二索を切ってダブリーをかければ、出アガりでも6400が確定しています。

南1局を迎えて▲1500の身ですから、着実にプラスの世界へ転じておきたいという気持ちはよく理解できますが、私も八萬を第1打に選びます。

ドラの七萬を戦略的に第1打に選ぶ人もいるでしょうが、どんな局面でもできるかぎり第1打にはドラを切らないほうがいいと思います。

『天に唾を吐く』行為に似ていて、第1打にドラを切ると、雀神の怒りを買うことが多いので気をつけたほうがいいと思います。

ちなみに私は…うっかり第1打にドラを切ってしまうことがありますが、その際は公式戦であれTV対局であれ何であれ、その局はアガり放棄とし、ひたすら反省しています。

最後にDはどう考えますか?

二萬二萬三萬三萬七萬一筒一筒三筒四索四索六索六索中 中ツモ 九索ドラ

ダブリーチートイの待ち選択に映るでしょうが、ダブリーをかけないという選択肢があることを忘れてはいけません。

七萬三筒という尖張牌待ちでチートイツのリーチを普段でも打っている人なら問題はないのですが、少しでも違和感があったり、少しでも抵抗感があるならば、やはりダブリーには踏み切らないほうがいいでしょう。

チートイツの自由度は最高です。

すべて自身の判断、そして選択の自由があり、テンパイを構成する6種以外の28種から待ち牌を選び抜くことができます。

そんな至高の手役をダブリーチャンスという動機だけで台無しにしないほうがいいと思います。

ダブルリーチの誘惑は抗いがたいものがありますが、自身の麻雀観や美学を歪めてまでかける必要が無いことを脳裏に刻みつけておくことは、麻雀を楽しむための一助になるのではないでしょうか。

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