麻雀用語は、結構やっかいなものです。そもそも中国で生まれたゲームなので、中国語がベースになっているものが多いのですが、日本語や英語が混じった合成語もかなり多いからでしょう。
それでも、このコラムのように麻雀の手牌について色々と説明するときには、麻雀用語をうまく利用できたほうがわかりやすいと思います。
たとえばリャンカンという言葉もそのひとつ。
とあれば、カン
とカン
が複合した形で、
か
のどちらかがくれば1メンツが完成します。
リャンメンのようなカンチャンということでリャンメンカンチャンが短縮されてリャンカンになったのでしょう。
おそらく、日本で作られた造語だと思います。そして、今回はこのリャンカンがテーマです。
数牌で、135、246、357、468、579という並びがあればリャンカンで、2種8枚の受入れを持つ形になります。
A図をご覧ください。
この中のリャンカンを探してみましょう。
そして
と2組ありますね。リャンカンを1メンツ候補と考えて、ひとまずピンズで1メンツ、ソーズで
がアタマ候補、リャンカンで1メンツをあてにすることができるでしょう。
マンズはという好形があり、これも1メンツが見込めるので、あと1メンツで4メンツとアタマのアガリ形が想定できるようになります。
このように3枚で1メンツを見込むことができるリャンカンですが、リャンメンなら2枚で2種8枚の受入れがあるのですから、リャンメンには劣ります。しかし、単なるカンチャンは1種4枚の受入れしかありませんから、それに比べればリャンカンのほうが優秀な形と言えるでしょう。
このリャンカンをうまく利用すると、シュンツ作りの役に立ちます。
マンズをカンとペン
と見れば、確かに2メンツの可能性もあるのですが、それだとかなり苦しい形です。
しかし、を切り
のリャンカンと考えれば、あとはピンズとソーズでアタマと3メンツを作るという構想で、バランスの良い受入れ態勢となります。
孤立しているをあっさりと切ってしまう人が結構いそうですね。よく見ると
も孤立しています。この
と
を比べてみましょう。
もし他の数牌がなければも
も単なる孤立牌ですが、マンズには
が、ピンズには
があります。
と
はシュンツとして利用できる牌が
も
もかぶっており、
がなくても問題ありません。
しかし、と
の間隔は違います。
は
を引くとペンチャンができ、
を引くと
のリャンカンになります。
と
での違いがわかれば、シュンツ作りが上手になることでしょう。シュンツ作りが上手になることは、同時にピンフ作りの上達につながります。
それでは最後に、D図をご覧ください。
イーシャンテンになったところです。打牌候補は・
・
で、どれを切ってもテンパイチャンスの枚数は同じになります。
切りは
・
・
・
・
の5種16枚。
切りは
の代わりに
が受入れられて5種16枚。
切りはピンズがリャンカンで
と
が4枚ずつ、
・
と合わせて4種16枚ですが、
か
をツモればピンフになるのです。
か
を切った場合も、ピンズでシュンツが先にできればピンフになるものの、その受入れ枚数は
切りの半分ですから、トータル的に考えるとピンフのテンパイ確率が下がるわけですね。
第1問
東1局南家8巡目。何を切る?
。すでにイーシャンテン。ツモ
ならピンフのテンパイだったが、この
を残せばマンズがリャンカンとなり、
だけでなく
の受入れもできる。
や
が暗刻になっても役なしテンパイなので、ピンフの可能性を優先して
切りでピンズをリャンメンに決めておく。
第2問
東2局南家4巡目。何を切る?
。自風の南を重ねて、これを利用するなら
がアタマ候補、ピンズで1メンツは完成しているので、マンズでは1メンツ作れればよい。
を切ってリャンカンで1メンツと考えよう。
第3問
東3局西家2巡目。何を切る?
。孤立しているのは
・
・
・
・
の5枚。
はドラなので、ここで手放すのは早い。孤立している数牌からシュンツができる可能性を考えると、くっつき幅の広い
と
は当然残すとして、あとは
と
の比較。
には
があるが、
と
の間隔はツモ
でリャンカンができるので、ここでは
を残して
から先に切る。
第4問
東4局北家6巡目。何を切る?
。これでイーシャンテン。
・
・
のどれを切ってもテンパイチャンスの受入れ枚数は同じ。ならばピンフ狙いでマンズをリャンカンに構える
切り。先にマンズが埋まればピンフになる。
第5問
東4局北家6巡目。何を切る?
。これでイーシャンテン。残りのメンツ選択でイッツー狙いだとマンズのリャンメンを落としてのカンチャン、ペンチャン残りで苦しい。イッツーを諦めれば、マンズ1メンツ、ピンズ2メンツ構想で問題なし。
切りでは
しか受入れられないが、
切りで
と
の受入れ、これも数がちょっと離れたリャンカンのようなパターンだ。