麻雀の本場、中国でもルールは地方によってさまざまです。ある意味、日本以上に色々なルールがあり、統一することなど難しいことでしょう。
それでも、その中で共通するルールはいくつかあります。そのひとつが、フリテンがないことです。
基本的に、捨て牌は河に流すというイメージで、卓の真ん中に他家の捨て牌も一緒にぐちゃぐちゃに捨てるのが一般的でした。
日本健康麻雀協会が日中友好麻雀交流を1995年に始めたとき、私が日本では捨て牌を各自6枚ずつ3〜4段に捨てるという日本式のマナーを説明したのがきっかけとなって、1998年に中国国家体育総局が制定した中国麻将規則(競技の統一ルール)でも、フリテンはありませんが、捨て牌6枚切りのマナーは取り入れてくれました。
他家の捨て牌をいちいち覚える必要がないのが便利だったからでしょうが、フリテンの概念がないのは、放銃したときに放銃者の1人責任払いではないからでしょう。
基本的に中国の麻雀は、出アガリでも3人が支払うルールのほうが多いのです(放銃者は他の2人より多く支払いますが)。
そもそも、どんなアガリも4人で作り上げたものという考え方が根本にあるからで、ポンやチーを含め全員の摸打の結果のアガリは、残り3人で支払うのが当然なのでしょう。
一方、ロン牌を切った人にすべての責任を背負わせ、放銃者が3人分を1人で払うのは日本的発想の日本独自のルール、そしてそれによって生まれたのがフリテン制度なのです。
このルールで日本では特に重要となったのが、多メン待ちをしっかりと見分けること。それができないと、フリテンでチョンボを取られてしまうからです(ネット麻雀では、その点がやさしくなっていますね)。
さて、今回も多メン待ちの勉強を続けましょう。
前回学んだように、ちょっと難しいと思える多メン待ちも、大半は手牌の中にある同じ3枚または4枚の牌を暗刻と見るか、アタマとして見るか、この2パターンによって出てくる待ちでほとんど解決できます。
しかし、頻出する多メン待ちについてはパターンとして覚えてしまう手もあります。
A図は前回学んだ「★リャンメンとタンキとリャンメンの複合形」ですが、暗刻と暗刻で挟まれた形で「暗刻のサンドウィッチは、暗刻の外側から外側まですべて待ちになる」のです。つまり、・・・・の5メン待ち。
暗刻にサンドウィッチされている箇所を1枚ではなく連続する4枚にすると
となります。
この場合も暗刻のサンドウィッチ法則が通用して、からまでの8メン待ちになるので、確認してみてください。
さらに1メンツ増やした形が
となります。
つまり九蓮宝燈でこちらは外側がないからからまでの9メン待ちになるわけですね。
次のような形も覚えておくと便利かもしれません。
連続した暗刻に1枚くっついた形は、暗刻の端からくっついた1枚の外側まで、つまりからまでで、は待ちになりません。
のような暗刻3組の場合も同じでからまでの5メン待ちになるのです。
今度はちょっと違うパターンで、イーペーコー絡みの複雑な多メン待ちを見てみましょう。
C図は、のイーペーコーと見れば・のシャンポン待ち。
のイーペーコーと見れば・のシャンポン待ちだから、・・の3メン待ち。
これが
となると、イーペーコーの取り方で・・・の4メン待ちです。
最後にD図。この形はこれまでのように3枚あるをどう見るかでは、正解に辿り着きません。
まず、++でカン待ち、これはわかりやすいですね。
次にのシュンツを抜いてみましょう。
すると、+となって・待ちが出てきます。
つまり・・の3メン待ちなのです。
やが出たとき、うっかり見逃しそうですから注意すべき形なのです。
復習問題でも、色々考えてください。
待ちを答えてください。
第1問
・・・待ち。
ピンズで暗刻のサンドウィッチの形ですが、の外はないので、からまでの連続する4メン待ち。
第2問
・・・・待ち。
まずの形でから待ち。そこにがくっついたことにより、でさらに・待ちもある。
第3問
・・待ち。
イーペーコーのカン待ちのほかの1メンツを抜けば、が高目イーペーコーになる・待ち。
第4問
・・待ち。
端のメンツのを抜くととなり、イーペーコーの取り方でと・のシャンポン形になる。
第5問
・・・・・待ち。
暗刻3組のの形は、からまでの5メン待ちのパターン。これにの暗刻がくっついて増える待ちはだけ。