イチから学んでステップアップ!東大式おもしろ麻雀塾

井出 洋介(いで ようすけ)
麻将連合所属
第15期将王、第2・4・12回BIG1カップ優勝/他多数
著書「これが東大式!はじめてでもよくわかる麻雀入門」「麻雀技術 守備の教科書 振り込まない打ち方」共著:小林剛「新版 東大式 麻雀に勝つ考え方」/他多数

第十七回「多メン待ちに強くなろう(2)」<初級者向け>
2023/01/11


麻雀の本場、中国でもルールは地方によってさまざまです。ある意味、日本以上に色々なルールがあり、統一することなど難しいことでしょう。

それでも、その中で共通するルールはいくつかあります。そのひとつが、フリテンがないことです。

基本的に、捨て牌は河に流すというイメージで、卓の真ん中に他家の捨て牌も一緒にぐちゃぐちゃに捨てるのが一般的でした。

捨て牌

日本健康麻雀協会が日中友好麻雀交流を1995年に始めたとき、私が日本では捨て牌を各自6枚ずつ3〜4段に捨てるという日本式のマナーを説明したのがきっかけとなって、1998年に中国国家体育総局が制定した中国麻将規則(競技の統一ルール)でも、フリテンはありませんが、捨て牌6枚切りのマナーは取り入れてくれました。

他家の捨て牌をいちいち覚える必要がないのが便利だったからでしょうが、フリテンの概念がないのは、放銃したときに放銃者の1人責任払いではないからでしょう。

基本的に中国の麻雀は、出アガリでも3人が支払うルールのほうが多いのです(放銃者は他の2人より多く支払いますが)。

そもそも、どんなアガリも4人で作り上げたものという考え方が根本にあるからで、ポンやチーを含め全員の摸打の結果のアガリは、残り3人で支払うのが当然なのでしょう。

一方、ロン牌を切った人にすべての責任を背負わせ、放銃者が3人分を1人で払うのは日本的発想の日本独自のルール、そしてそれによって生まれたのがフリテン制度なのです。

このルールで日本では特に重要となったのが、多メン待ちをしっかりと見分けること。それができないと、フリテンでチョンボを取られてしまうからです(ネット麻雀では、その点がやさしくなっていますね)。


さて、今回も多メン待ちの勉強を続けましょう。

前回学んだように、ちょっと難しいと思える多メン待ちも、大半は手牌の中にある同じ3枚または4枚の牌を暗刻と見るか、アタマとして見るか、この2パターンによって出てくる待ちでほとんど解決できます。

しかし、頻出する多メン待ちについてはパターンとして覚えてしまう手もあります。


A図二索二索二索三索四索四索四索

A図は前回学んだ「★リャンメンとタンキとリャンメンの複合形」ですが、暗刻と暗刻で挟まれた形で「暗刻のサンドウィッチは、暗刻の外側から外側まですべて待ちになる」のです。つまり、一索二索三索四索五索の5メン待ち。

暗刻にサンドウィッチされている箇所を1枚ではなく連続する4枚にすると

二索二索二索三索四索五索六索七索七索七索

となります。

この場合も暗刻のサンドウィッチ法則が通用して、一索から八索までの8メン待ちになるので、確認してみてください。

さらに1メンツ増やした形が

一索一索一索二索三索四索五索六索七索八索九索九索九索

となります。

つまり九蓮宝燈でこちらは外側がないから一索から九索までの9メン待ちになるわけですね。

次のような形も覚えておくと便利かもしれません。


B図四筒四筒四筒五筒五筒五筒六筒

連続した暗刻に1枚くっついた形は、暗刻の端からくっついた1枚の外側まで、つまり四筒から七筒までで、三筒は待ちになりません。

三筒三筒三筒四筒四筒四筒五筒五筒五筒六筒

のような暗刻3組の場合も同じで三筒から七筒までの5メン待ちになるのです。

今度はちょっと違うパターンで、イーペーコー絡みの複雑な多メン待ちを見てみましょう。


C図二萬二萬三筒三筒四筒四筒五筒五筒六筒六筒六索七索八索

C図は、三筒四筒五筒のイーペーコーと見れば二萬六筒のシャンポン待ち。

四筒五筒六筒のイーペーコーと見れば二萬三筒のシャンポン待ちだから、二萬三筒六筒の3メン待ち。

これが

二索二索三索三索四索四索五索五索六索六索一萬二萬三萬

となると、イーペーコーの取り方で二索三索五索六索の4メン待ちです。



D図一萬一萬二萬三萬三萬四萬四萬四萬五萬五萬七筒八筒九筒

最後にD図。この形はこれまでのように3枚ある四萬をどう見るかでは、正解に辿り着きません。

まず、一萬一萬二萬三萬三萬四萬四萬四萬五萬五萬でカン二萬待ち、これはわかりやすいですね。

次に三萬四萬五萬のシュンツを抜いてみましょう。

すると、三萬四萬五萬一萬一萬二萬三萬四萬四萬五萬となって三萬六萬待ちが出てきます。

つまり二萬三萬六萬の3メン待ちなのです。

三萬六萬が出たとき、うっかり見逃しそうですから注意すべき形なのです。


復習問題でも、色々考えてください。

復習・練習問題

待ちを答えてください。


第1問

一筒一筒一筒二筒三筒三筒三筒五索六索七索中中中
解答

一筒二筒三筒四筒待ち。
ピンズで暗刻のサンドウィッチの形ですが、一筒の外はないので、一筒から四筒までの連続する4メン待ち。


第2問

二萬二萬二萬三萬三萬三萬四萬四萬五萬六萬六索七索八索
解答

二萬三萬四萬五萬七萬待ち。
まず二萬二萬二萬三萬三萬三萬四萬の形で二萬から五萬待ち。そこに四萬五萬六萬がくっついたことにより、四萬四萬五萬六萬でさらに四萬七萬待ちもある。


第3問

四筒四筒五筒五筒五筒六筒六筒七筒八筒八筒西西西
解答

三筒六筒七筒待ち。
イーペーコーのカン七筒待ちのほか四筒五筒六筒の1メンツを抜けば、六筒が高目イーペーコーになる三筒六筒待ち。


第4問

二萬二萬四萬四萬五萬五萬六萬六萬七萬七萬七萬八萬九萬
解答

二萬四萬七萬待ち。
端のメンツの七萬八萬九萬を抜くと二萬二萬四萬四萬五萬五萬六萬六萬七萬七萬となり、イーペーコーの取り方で二萬四萬七萬のシャンポン形になる。


第5問

二索二索二索三索三索三索四索四索四索五索五索五索六索
解答

一索三索四索五索六索七索待ち。
暗刻3組の三索三索三索四索四索四索五索五索五索六索の形は、三索から七索までの5メン待ちのパターン。これに二索の暗刻がくっついて増える待ちは一索だけ。