イチから学んでステップアップ!東大式おもしろ麻雀塾

井出 洋介(いで ようすけ)
<獲得タイトル>
名人位、最高位、王座、将王、BIG1カップなど多数
著書「これが東大式!はじめてでもよくわかる麻雀入門」「麻雀技術 守備の教科書 振り込まない打ち方」共著:小林剛「新版 東大式 麻雀に勝つ考え方」/他多数

第二十八回「2枚替えをイメージする」<初級者向け>
2025/04/16

メンゼンで役なしテンパイをしたとき、とても楽な方法が「リーチ」です。

リーチさえしてしまえば、あとはロン牌が出たときとツモったとき以外は、何も考えなくて良いのですから。

でも、本当はこれ、ダメな発想なのです。麻雀は考えることを楽しめるゲームであって、思考停止の時間を作ってしまうリーチに頼ることは、成長を止めてしまう可能性すらあるかもしれません。

勿論、リーチをかけるのが最良である局面もあり、リーチがすべて悪いわけではありません。ただ、テンパイしたら何でもリーチという考えはやめたほうが良いということです。

今回はまず、役もドラもない手牌に限定して、そこでリーチをかけずにどう打っていくかを見ていきたいと思います。


A図三萬四萬五萬八萬九萬一筒一筒五筒六筒一索二索三索四索七筒ツモ西ドラ

A図は東場の西家で、5巡目に七筒をツモってきたところです。

一索切りでテンパイですが、役がないからとリーチをしたところで、一発や裏ドラがなければリーチのみの1300点です。

しかも、自分にドラがないときは、他家にドラがある可能性も高いわけで、他家が攻め返してきたら、他家のほうが高い場合も多いのです。

待ちが悪い上に安い手なのですから、こんなリーチのみは避けたいというわけなのです。

それでは、どう打つか。こんなときは、役がなくてもリーチをかけずヤミテンに構えるのです。こうすると、ロン牌の七萬が出ても「ロン」はできませんが、ツモればアガれるのです。決して「リーチをかけなければアガれない」のではありません。

この手牌では一手替わりでも良い形になることは望めませんが、待ちのペンチャン八萬九萬の2枚の代わりに何があれば良いかをイメージしてみるのが良いでしょう。たとえば、リャンメンができればピンフになるのですから、六筒をツモったところでペンチャンを嫌って九萬切りとします。(B図)


B図三萬四萬五萬八萬一筒一筒五筒六筒六筒七筒二索三索四索

これで、次に四筒五筒七筒八筒のどれかをツモればピンフのテンパイで、イーペーコーのチャンスもできます。さらに、その間に八萬をツモれば、アタマを一筒と入れ替えてタンヤオがつく手替わりまであるのです。


C図五萬五萬一筒二筒三筒五筒六筒七筒一索二索三索八索九索九萬ドラ

続いてはC図、東場の南家です。

6巡目にテンパイしましたが、役なし、ドラなしの手でヤミテンに構えました。

ここではペンチャン八索九索の代わりにどんな2枚があると嬉しいでしょうか。

ピンフ以外に手役として、123の三色とピンズのイッツーチャンスを見つけてほしいのです。マンズの一萬二萬三萬、ピンズの四筒八筒九筒、そのどれかをツモってきたら、テンパイを崩していくのです。たとえばツモ八筒、打八索とするとD図。


D図五萬五萬一筒二筒三筒五筒六筒七筒八筒一索二索三索九索

さらにこの後でたとえば三萬でもツモれば、打九索としてE図になります。


E図三萬五萬五萬一筒二筒三筒五筒六筒七筒八筒一索二索三索

このイーシャンテンならば、一萬二萬四筒九筒で三色またはイッツーチャンスのテンパイだし、それ以外でも四萬六筒七筒のツモでピンフのテンパイになります。

このように、2枚替えのイメージの牌をツモったときには、テンパイを崩してイーシャンテンに戻しても、リーチのみの形よりもずっと高得点の可能性を秘めた好形になっているはずです。

この考え方は、高得点の手作りを目指す際にはリーチのみの手牌に限らず役立ちます。たとえリャンメンでも、その牌の代わりに別の2牌があれば、というケースが色々あるのです。2枚替えをイメージする習慣を身につけていただきたいものです。

復習・練習問題


第1問

一萬二萬六萬七萬八萬四筒五筒六筒二索二索六索七索八索七筒ツモ中ドラ

東1局南家、7巡目に七筒をツモって何を切るか?

解答

二萬切り(一萬切り)。
役なしのペンチャン待ちより、ピンズを伸ばせばタンピン三色チャンスになるイーシャンテンに戻す。
一萬から切ると二萬四萬のツモでタンヤオのテンパイになるので、それでも良いが、せっかくのチャンスなので、二萬から切ってピンズのツモに託すのも良し。


第2問

四萬五萬六萬七萬七萬三筒四筒五筒四索五索六索北北四筒ツモ西ドラ

東2局西家、6巡目に四筒をツモって何を切るか?

解答

北切り。
役なしシャンポン待ちでヤミテンに構えていたならば、ここでイーシャンテン戻しのチャンス。
七萬切りだとピンフテンパイのチャンスは増えるが、それより北のトイツ落としでタンヤオ、ピンフ、三色まで狙おう。


第3問

四萬五萬六萬八萬九萬二筒三筒四筒五筒六筒七筒三索三索八筒ツモ六索ドラ

東3局北家、6巡目に八筒をツモって何を切るか?

解答

九萬切り。
役なし、ドラなしのペン七萬待ちでリーチをかけず、ヤミテンに構えたところにツモったのが八筒ならば、イーシャンテン戻しのチャンス。
まず九萬でタンヤオにしておいて、ツモ一筒九筒ならばピンフ確定で高目イッツーのテンパイ。
その前にドラの六索でもツモってくれば、八萬を切ってドラのくっつきとピンズの伸びのどちらかに期待する形になる。


第4問

一萬二萬三萬三萬四萬五萬七萬八萬九萬三筒四筒中中一萬ツモ七索ドラ

東4局南家、7巡目に一萬をツモって、何を切る?

解答

四筒切り。
二筒五筒待ちの役なしテンパイで、ツモ六萬によるイッツーへの手替わりを待っていたところ。ここで一萬のツモなら、さらに欲張ってマンズのホンイツに向かい、四筒三筒落とし。
メンゼンで仕上がれば、メンホンの3飜+イーペーコーやイッツー、あるいは中を含めてマンガン、ハネマンが期待できる。
中のポンでも一萬四萬待ち、3900点のテンパイになる。