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土田浩翔プロ 特別書き下ろしコラム
14人の師

(つちだ こうしょう)
土田浩翔 第11、22期鳳凰位・第22、23期十段位、第26期王位/他多数
著書「土田流麻雀 仕掛けを極める」
「最強麻雀土田システム」
「麻雀が強くなるトイツ理論」

第四十三打「場況の囁き」 2019/04/12

東家が7巡目にリーチをかけました。

二萬二萬四萬五萬六萬八萬九萬三筒四筒五筒五筒赤五索六索 七索ツモ 七筒ドラ

えっ?!九萬を外せばタンヤオなのに…

わざわざアガりにくそうな、誰もが使えそうな尖張牌の七萬待ちで…

親の先制リーチってそんなに有利なの…

平面的に見てしまうと、もったいないなぁの一語に尽きますが、東家には、変化を待たずに即リーチをかける<錦の御旗>があったのです。

それは、6巡目までの他家の河でした。

〔南家〕 東中北八萬発九索

〔西家〕 九萬東一筒一索四筒白

〔北家〕 南白九萬九索一筒六索

南家の4巡目の八萬

西家の第1打九萬

北家の3巡目の九萬

この3者の河から、七萬はかなりの確率で山に残っている(少なくとも3枚は)可能性が高いと東家は判断して、打点も含め多くの変化が期待できる手牌にフタをしたのです。

東家の思考は恐らくこうだったはずです。

南家の八萬切りについては

七萬八萬八萬

五萬六萬七萬八萬

七萬七萬八萬八萬

果してこんな形から4巡目に八萬を切るでしょうか。

5・6巡目にタンヤオの油っこい牌が切られているなら、手牌にスピード感があるので、七萬七萬八萬から八萬の先切りはあり得るでしょうが、発九索と並んでいく河からは、八萬を先切りできるほどの手牌ではなさそうです。

五萬六萬七萬八萬七萬七萬八萬八萬からの八萬切りは更に考えにくい河なので、結論として南家が七萬を持っている可能性は限りなくゼロに近いと判断できるわけです。

もちろん、七萬七萬七萬八萬から八萬を切った可能性は否定できませんが、打ち手がレアケースまで想定して思考すると、どんな思考も否定的にならざるを得ないので、ここでは想定しません。

西家の九萬切りについては

七萬九萬九萬

七萬七萬九萬

五萬七萬九萬

六萬七萬九萬

かなりのスピード感のある手牌であっても、七萬九萬九萬七萬七萬九萬五萬七萬九萬から九萬を先切りする可能性は限りなくゼロに近く、残るは六萬七萬九萬からの九萬切りについての思考です。

第2打以降の河を見ると

東一筒一索四筒白

マンズの下目がまだ出ていません。

この河が

東一筒一索四筒三萬

となっていて、三萬が手出しされているのであれば、第1打の時点で三萬が手牌にあった可能性が高く

一萬三萬三萬六萬七萬九萬

二萬三萬三萬六萬七萬九萬

三萬三萬四萬六萬七萬九萬

三萬六萬七萬九萬

こんな形だった可能性があり、マンズの組み合わせに関しては、六萬七萬で1組、三萬を軸にして1組と想定できるため、九萬を第1打に選択したということになるのです。

ところが現実には、2巡目以降まだマンズの下目が出てきていないため

三萬四萬六萬七萬九萬

こんな形の配牌だった可能性もありますが、それでも五萬さえ引ければ、マンズで3組作ることも想定できるので、字牌や他の色の1・9牌を第1打に選ぶはずなのです。

シンプルに思考すれば

六萬七萬九萬

ここから第1打に九萬を選ばない理由としては、五萬八萬を早めに引けたとき、マンズで2組作ることができるメリットというか、保険をかけるためなのです。

五萬六萬七萬九萬

六萬七萬八萬九萬

こういう形が5~6巡目までに生まれれば、マンズ2組が現実味を帯びてくるのです。

以上の思考から、西家が七萬を持っている可能性は低いのです。

ただし、2~6巡目の間に七萬が手牌に組み込まれている可能性は否定できず、4巡目に八萬を切っている南家より、手牌に七萬があるかも…と想定したほうがいいでしょう。

北家の九萬切りについては、3巡目の段階での手組み想定は西家に準じますが、その後6巡目まで3巡しかないため、その3巡で七萬が引けた可能性は西家より低いと考えるのが普通です。

ただし、六萬七萬九萬からの九萬切りについては、第1打の九萬切りと違って、南白と整理した後の九萬切りなので、西家の九萬切りより六萬七萬と組み込まれている可能性が高いと考えたほうがいいでしょう。

このような思考を前提にした東家は、西家もしくは北家に悪く見積もると2枚、通常は1枚七萬が持たれているものの、南家はほぼゼロ枚という読みをもって、即リーチに踏み込んだわけなのです。

残り山に2枚~3枚、アガり牌の七萬があるという想定でのリーチですから、ただ単に、親の看板を背にしての<抑えこみリーチ>ではないこと、お分かりいただけたことでしょう。

このように、序盤の場況を利用しての手牌進行は、応用範囲が広いのですが、七対子の進行もサポートしてくれるはずです。

東家の7巡目の手牌はこうなっています。

二萬二萬三萬五萬五萬七萬赤五索五索六索六索七索八索北八索ツモ七筒ドラ

つい手拍子で北を切ってしまいそうですが、冷静に場況を見てみましょう。

わかりやすく、先の河と同一にします。

〔南家〕 東中北八萬発九索

〔西家〕 九萬東一筒一索四筒白

〔北家〕 南白九萬九索一筒六索

東家の手牌、横(シュンツ含み)の手と縦(トイツ・アンコ)の手を天秤にかけると、北切りしかないのですが、七対子への決め打ちをする気になると、案外選択しやすい場況になっているので面白くなります。

まずは先のペン七萬即リーチ策の根拠となった場況判断から、七萬は重なりやすいと読めるわけですから残します。

次に注目すべきは

南家の6巡目の九索切り

北家の4巡目の九索切り

この2つの九索切りについては、九萬が出ている根拠と似たような理由付けができるので、七索三萬より残しやすくなります。

また、七索が山に残っている根拠の追い風としては、北家6巡目の六索切りが挙げられます。

東家の手牌のソーズ構成が

赤五索五索六索六索七索八索八索

となっていますから、自分の目から六索は3枚見えているわけです。

ソーズの上側を切っていない西家の手牌に七索が使われている想定としては

五索七索

七索八索

七索九索

七索七索

となるわけですが、あと数巡経っても西家の手から七索の周りが切られてこない限り、持たれていても1枚と想定できます。

つまり、残り山に2枚~3枚、七索が眠っているかもしれない、甘めの読みかもしれませんが、周りの牌が何も出ていない三萬よりは残す価値が高いと考えるのです。

1枚切れの北については、他家3者の河の切り出し、とくに北家の第1打~第3打に注目して思考することが大切です。

基本的には、役牌を対子で持っている人の河の序盤は、字牌から切り出されず、1・9牌からの切り出し、もっとわかりやすい時は、2・8からの切り出しになることが多いので、パッと見て、もしかしたらこの人、役牌対子かも…という想定はし易いものなのです。

もちろん、例外は常にありますから断定的な判断に誤りが生じることは承知しています。

でも、北家の切り出しが、南白から始まっているので、自風の北を対子で持っていて、南家の3打目の北をスルーした可能性はかなり低いと読みます。

西家についても、九萬東一筒一索というタンヤオ牌含まずの切り出しですから、七対子や一色手、更にはチャンタなどの変則手は想定しにくいため、北を持っていない可能性はかなり高いと読みます。

従いまして、場況を利用しながらの七対子作りとしては、横の手との天秤をかけずに、三萬を切っていくという選択が面白いのです。

場況はいつも存在します。

そしてその存在が悪魔の囁きになることもありますが、大いに利用して、アガりへの精度を高めていく、そんな素直さも必要なのではないでしょうか。

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