6巡目、ドラはです。
ここから切り。
『フムフム、チートイツのイーシャンテンに受けるんだ。でもを切るくらいなら、やから処理する手もあるのにな…』と見ていると、下家が切ってきた1枚目のに「ポン!」の声をかけているではありませんか!?
打とし、すぐにもポン、打。
ほどなくもポン出来て打。とのシャンポン待ちトイトイテンパイとなりました。
同巡、親からリーチがかかり、最初に引かされた牌が。もちろんノータイムでツモ切りすると「ロン!!」
親満の献上となったわけですが、初心者の頃を思い出せば、よくこんな光景に出くわした記憶が皆さんにもあるはずです。
少しキャリアを積んだ打ち手ならば、ポンしにくい尖張牌のとを抱えたトイトイ仕掛けにムリがあることはすぐに理解できるわけで、ましてやチートイツのイーシャンテン手牌。トイトイ狙いでをイチ鳴きしていく打ち手は皆無に近いのではないでしょうか。
もちろん、先に挙げた手牌から、打とはせず、打なり打としておいて、をイチ鳴きする局面はあるでしょう。
ここからポン打。をポンして打とする仕掛けです。
なりふりかまわず親を落としにいきたい時とか、どうしても連荘したい親番などで、このような仕掛けを入れるケースはあるかと思います。もしかするとアガればトップのオーラスでもあるかもしれません。
もう1度最初の手牌に戻ります。
私はここからを切ります。
が重なれば待ちで、が重なれば待ちスジトイツリーチをかけます。
でもその前に尖張牌のやが出てきたら「ポン!」の声をかけます。
狙いはトイトイ。
チートイツイーシャンテン手牌から、ポンをして手牌を短くし、更にはシャンテン数が1から2に戻ってしまう一見すると筋悪な仕掛けに見えるでしょうが、リスクは百も承知でトイトイを狙っていきます。
チートイツであれば、ドラが無くてもリーチをかけてツモって裏ドラが乗れば、ハネ満に大化けする魅力があります。
でもトイトイは、仕掛けてしまえば見えている役の数しか得点は伸びず、しかもポンする度に手牌が短くなるリスクがあります。
にもかかわらず、マンガンすら望み薄のトイトイを狙う意図はどこにあるのか?不可解に思う方は多いかもしれません。
ホンイチもそうなのですが、〈役牌〉がトイツで入ってる手牌(複数なら文句なしに)は、動いて動いて仕上げていく感覚が大切なのでは?と私はいつも考えています。
仕掛けを入れると、多くの場合、和了点は下がり、放銃の危険性が増すと思われがちですが、ことトイトイとホンイチに関しては別のものと考えたほうがいいのです。
手役の性質と言い換えてもいいのかもしれませんが、役牌も同じ性質であり、メンゼン役では無いというところに、立ち位置の違いを自覚しながら打ち進めたほうがいいと私は考えています。
親番でこの手牌になったのが6巡目。
チートイツのイーシャンテン手牌ですが、をポンしていく打ち手も多いように思います。
ただしをポンしての打牌はが圧倒的かと思われます。
こうしておけば、やが比較的早くポンできて、ススス〜ッとアガりに近づけるような気がするからです。
でも私はこの手牌からをイチ鳴きする気にはなれません。
をイチ鳴きするくらいなら、まだ手牌をチートイツのイーシャンテンに留めておいたほうがいいと考えるからです。
手中にあるトイツは、、そしてで、ポンしやすいトイツはヤオチュウ牌であると。次にポンしやすいのは、2・8牌であると。は、数牌の中では一番ポンしづらい尖張牌です。
整理すると、ポン材のAランクがと、Bランクがと、Dランクがということになります。
ちなみに、ドラとドラ表示牌のトイツはEランクとして扱います。
注:この手牌においてはCランクとEランクのトイツはありません。
トイトイ役を仕上げるとき、大切な指標と申しましょうか、ポンポンしていく際の〈初動牌〉に要注目です。
そしてアガりに近づけるコツは、〈初動牌〉にCランク以下(C・D・E)の牌を選ぶこと、これに尽きます。
この手牌からトイトイを狙うときは、Dランクのから初動をかけることです。
もしが出てこないうちに、が2枚出てしまったら、のみの仕掛けでもいいからと考えて動くのは危険で、チートイツに切り替えたほうが無難です。
役牌さえ確保しておけば、後はどうにでもなる形に見えるかもしれませんが、トイトイを伴わない役牌仕掛けは、シュンツが手中に無いと失敗しやすいと心得ておくことです。
ではこの手牌はどうでしょう。
東場の親、5巡目のものです。
〈初動牌〉は何にしますか?
『何をワケのわからんこと言ってるんだ。ダブ東はもちろんのこと、にも初動をかけるし、や、時にはにだって初動をかけるわけで、質問になってないのでは??』と言われてしまいそうです。
連荘という大きな目的をもって臨む親番においては、初動をかけた後、相手がポンしたい役牌を押えたとしても、それはそれで相手の手が止まって連荘しやすくなるのだから問題はないと考えがちです。
でも手牌は大物手の様相が漂っています。
ポン材をランク分けしてみると、Aランクがと。Bランクがと(ダブ東なのでAランクというわけにはいかないでしょう)。Cランクがということになりますから、できることならを〈初動牌〉に選びたいものです。
ドラがなので、Cランクのを外して、とに頼って打っていく方も多いかもしれませんが、Bランク以上が4種もある手牌を役牌のみに収束させてしまうと、たとえアガれたとしても、運量が減ってしまうと私は考え、トイトイを狙っていきます。
Aランクのとには初動をかけず、できることならから、それが無理ならBランクのやから初動をかけ、きっちりとトイトイを仕上げていく、それが私のトイトイスタイルなのです。