配牌をとったとき「もしかしてこれは…」と、役満の匂いを感じることってありませんか?
その匂いは多くの場合<国士無双>であることに間違いはないのですが、時として<大三元>や<四暗刻>の匂いを感じることもあるのではないでしょうか。
番組の実況でも、「これはいい配牌ですね」とか「こ、これは…厳しい配牌ですね」とか、配牌のクラス分けをすることがあります。
でも実はCクラスやDクラスの配牌の時ほど、打ち手の肌感で役満の匂いを感じていることが多いようです。
誰しもこんな配牌を手にすれば、役満の<ヤ>の字もイメージすることなく、マンガンやハネマンといった現実を視野に打ち進めることでしょう。
ところが一転して次のような配牌を手にしたら、どんなイメージを抱くでしょうか。
ヤオチュウ牌が9種類ありますから、途中流局アリのルール下であれば流局宣言する人も多いのではないでしょうか。
私は現実から少し離れたところで打っていたい気持ちの強い打ち手(つまりは欲張り)なので、9種類もあれば残りのヤオチュウ牌を埋めることに没頭しますから、流局させるなんて考えたこともありません。
この配牌でいえば、の4種類のうちたった3種を引いてくればいい、そんなふうに思うわけですから、役満の匂いがプンプンする配牌なのです。
この配牌は9種類も揃っていて狙いが立ちやすいのですが次のような配牌であっても、私の鼻には役満の匂いが漂ってきます。
上段は8種類、下段は7種類のヤオチュウ牌しかありませんが、少なくとも6巡目あたりまではヤオチュウ牌に手をかけることはありません。
そもそも<国士無双>の匂いがしてくる配牌には、現実的なマンガン・ハネマンの可能性が薄いことと、テンパイからアガリまで可能となる<形>への期待がもてないこと。
この2つの理由によって、半ば<受け>への準備を整えながら<国士無双>へ向かっていることが多いのかもしれません。
では次なる配牌はどう見えるでしょうか。
私には<大三元>の匂いが…
間違っても、と
をポンしてカン
もチーして
のような最終形を描くことはありません。
この最終形は想定内なのですが、と
をポンしての3ハン手は圏外になっています。
<大三元>の匂いを感じている身としては、や
のイチ鳴きは全くイメージできなくて、ただひたすら
が重なってくれることを待つ身になるのです。
たとえば運よく早々にが重なって次のような手牌になったとしましょうか。
この形からでも三元牌をイチ鳴きして初動をかけていくことはしません。
イチ鳴きしてを切る人もいるでしょうが、最低ラインでもマンガンが保証されている手牌なので、
に手をかける人も多いのではないでしょうか。
更に運よく2種目の三元牌がポンできたとしてこんな形になったとしましょう。
問題はこの先です。
がポンできてもマンガン止まりですから、
のイチ鳴きにも勇気が入ります。
もちろん、私は<大三元>だけをイメージして打っていく打ち手なので、現実的なお話をしたい人にとっては物足りないはず。
現実的には、三元牌をイチ鳴きしていっても、途中でポンする予定の三元牌が暗刻になって、アレヨアレヨという間に<大三元>が仕上がることだってあります。
と
をポンした直後に
が暗刻になって、あっさりとマンガンをモノにすることだってあります。
何もトロトロとひたすら<大三元>だけを狙って打っていくこともないのに…
私は大三元の匂いを感じたら、三元牌は2鳴きするシフトを敷きます。
この考え方が間違っているかもしれないことは承知のうえで、2鳴きシフトにします。
王牌に2枚目の牌が眠っていることもあるでしょう。
そうではなくても、王牌近く、深いところに眠っていて、他家のアガリが先にあることも多いかもしれません。
そんなことは百も承知のうえ、<大三元>シフトを私は敷いていくのです。
それはひとえに<大三元>とめぐり逢いたい、その一心で敷いていくのです。
こんな配牌が来たらどんなイメージを抱かれるでしょうか?
私には<四暗刻>の匂いが…
なぜならが暗刻になっているからです。
3や7の<尖張牌>と呼ばれる牌には、大きな特性が2つあります。
ひとつは言うまでもなく<シュンツ>作りの要になる牌であることです。
たとえば次の手牌
ここから1枚切っていくとき、場況は設定せずに平面的に選択するならば、切りの一手ということになります。
なぜならば、と
は<尖張牌>であり、アガリ易い待ち作りには欠かせない肝牌だからです。
待ちの基本をリャンメン形とするならば
からは
と
からは
と
からは
と
という形が生まれます。
アガり易い待ちとは、特殊な状況ではない限り、1・2・8・9の待ち、すなわち端側の待ちになっていればいいのです。
そう考えると、2〜8までの孤立牌7種のうち、端側のリャンメン待ちを作りやすいのは<尖張牌>の3と7、この2種になり、大きな特性といえるのです。
そしてもうひとつの特性は、<四暗刻>との密接な関係性です。
皆さんの<四暗刻>を仕上げたキャリアを振り返ってみてください。
そのアガりの80%、いや90%の和了形に<尖張牌>の暗刻が含まれていたはずです。
ホントかな?と思われた方は、ぜひ過去の譜をひも解くか、これから<四暗刻>に出会ったときにチェックしてみてください。
びっくりするくらい<尖張牌>が活躍してくれているはずですから。
こんな配牌を手にしても<四暗刻>の匂いはしてきませんが…
この配牌を手にしたときには、もう大変です。胸がバクバクしてくるほど、<四暗刻>の匂いが漂ってきます。
役満は滅多にできるものではありません。
でもその匂いを楽しむことはいつだって可能です。
現実的になり過ぎると、その匂いを感じられない時間ばかりがやって来ます。
アガリたい、トップを取りたい、勝ちたい、ラスを引きたくない…etc
たまにはそんなところから自分の心を解放してあげたらどうでしょう。
<役満の匂い>っていい香りですよ!