表題にあるように、Part2とさせていただいたのにはワケがありまして・・・
第五十二打で解説した「<リャンカン形>をいつまでも引っ張らずに、カンチャン形に決めておいたほうが他の色への伸びも期待できる」というお話。
覚えていらっしゃる方も多いでしょう。
ただ、私の言葉足らずのため、<テンパイ効率>を下げる<リャンカン形>をイーシャンテンの段階でカンチャン形に決める打法に合点のいかない方も多かったようです。
そこで今回は、3種類に分けられる<リャンカン形>すべてについて解説を入れ、<テンパイ効率>より<アガリ効率>を優先させたほうがいいメリットをお伝えしていきます。
<リャンカン形>をすべて列挙すると、
135 246 357 468 579
この5通りになりますが、左右対称形ですから、135 579 は同形、246 468 も同形なのでタイプとしては以下の3タイプに分類できます。
Aタイプ 135 579
Bタイプ 357
Cタイプ 246 468
これらのリャンカン形を考察するときに欠かせない話は、やはりカンチャン形の分類になります。
これもタイプ別に分類しておきましょう。
Aタイプ 13 79
Bタイプ 46
Cタイプ 35 57
Dタイプ 24 68
リャンカン形もカンチャン形も、アガり易い順にA〜Dのタイプに分けてみました。
46 というど真ん中を待つカンチャン形がBタイプになっていることに疑問を抱く方もいらっしゃるでしょうが、ぜひ実践でお試しになってみてください。
ロンアガリもツモアガリも、場況がフラットであれば、35・57形よりもアガり易いことを実感できるはずですから。
東2局西家6巡目の手牌です。
<テンパイ効率>だけに的を絞れば、切りですね。
でも実戦では、<テンパイ効率>イコール<アガリ効率>になっているわけではありません。
マンズのリャンカン形から埋まってソーズのリャンメン形リーチが打てれば問題は生じないのですが、ソーズのリャンメン形から埋まってテンパイしたときには
1 を切ってのヤミテン
2 切りリーチ
3 を切ってのヤミテン
4 切りリーチ
この4つの選択になります。
赤・ドラのテンパイで役がありませんから、4を選択する打ち手は多いはずです。
ちょっと気の利いた打ち手であれば、3を選択し、次に何か空切りできる牌を引いてからリーチをかける策に出ますが、その間にアガリ牌が場に打たれてしまうこともあります。
アガりたい手牌であるからこそ、カンから入ってテンパイする保険をかけながら、リャンメン形から埋まったら切りでスジのを釣り出すリーチをかければいい。
これってごくごく普通の話なのですが、私はアガりたい手牌であればこそ、出アガリ率を高めた布石を打っておきたいと考えます。
つまり、イーシャンテンの段階でを放してしまいます。
この形にしておいてを手牌に残します。
ツモやが来ればを外していけますし、イーシャンテンの段階でを外しているので、ソーズのリャンメン形が埋まったときのリーチ表示牌はになります。
<テンパイ効率>を下げてでも<アガリ効率>を上げる策として、リャンカン形を早めにAカンチャンに決めておきたいのです。
では次の手牌はどうでしょうか?
東3局南家6巡目の手牌です。
やはり切りで<テンパイ効率>を上げておくべきでしょうか?
というリャンカン形をカンチャン形に分けると
Dタイプ
Bタイプ
となりますが、ソーズのリャンメン形から埋まったとき、を切ってスジの待ちにする打ち手は多いようです。
実戦でキャリアを重ねていて、というカンチャン形がアガりにくいことは理解しているはずなのに、アガりたい手牌であればあるほどスジを頼ってしまうのです。
はBタイプなのですから、リーチをかけるのであれば、切りのほうがアガり易いと客観的に判断して欲しいのです。
もう一歩踏み込むと、イーシャンテンの段階で、<テンパイ効率>に目を奪われることなく切りとすれば視界は広がります。
この形にしておけば、引きでリャンメン形以上に変化します。
もちろん、ソーズのリャンメン形が埋まれば、Bタイプカンチャンなので即リーチ。
<アガリ効率>という視点からは、6巡目のツモで打としておく打ち方がおすすめなのです。
面白いでしょう。
それでは次の手牌はどう考えますか?
東4局東家6巡目の手牌です。
打しかないだろうと多くの打ち手が考えますが果たしてそうでしょうか?
を打つとこうなります。
マンズのリャンカン形から埋まれば問題なしなのですが、ソーズのリャンメン形から埋まったときに少考が入ってしまいます。
にするのかにするのか。
どちらもCタイプのカンチャン形ですから即リーチをかけるにしても迷いが生じます。
やの出方、やの出方を確認して、どちらかのカンチャン形に決めるのでしょうが、そこで迷うくらいなら<テンパイ効率>は無視する6巡目の切りはいかがなものでしょうか。
を切ると手牌はこうなります。
イーシャンテンからリャンシャンテンに一歩下がる大胆な一手になりますが、先々の楽しみは格段に増えます。
期待しているイーシャンテン復活牌は、、、更にでもアガれそうなカンチャン待ちができますね。
マンズだけに頼らず、ピンズの伸びにも対応可能な切りは面白い選択になります。
裏目のやを引いてしまったら?
一手遅れで悔やむことはありません。
やという悪くない形ですから、フリテンに構えて、ツモなら打、ツモなら打とし、はまだキープしておけばいいのです。
そんな面倒なことになるくらいなら、を切ってイーシャンテンにしておくほうが効率的だし進行も遅くならないのでは?と疑問に思う方へ。
最近のトレンドは、シャンテン数を戻さずに孤立牌をパッパッと切っていく打ち方が主流ですが、基本に還ることも大切です。
基本とは組み合わせ作りの基本のことで、マンズ・ピンズ・ソーズの3種類をフルに活用しながら進行させようという基本です。
この手牌はその応用編で、イーシャンテンに構えると、マンズ・ソーズの2種類だけを待つ形になりますが、リャンシャンテンに戻せば、ピンズも生かせることになります。
<テンパイ効率>よりも<アガリ効率>を重視すると、リーチをかけるときの待ち方が格段によくなります。
それが狙いの打ち方なのです。
では打後、ソーズのリャンメン形から埋まってしまった場合にはどうするのか?
孤立牌はすべて<尖張牌>の3と7。
牌の性質は同じなので優劣は付けられません。
そうなると<場況>がモノを言ってきます。
マンズの下、つまりの出方
マンズの上、つまりの出方
ピンズの下、つまりの出方
これらを比較して、もっともアガりにくそうな領域を判断して打牌選択します。
その比較が難しい場合には切りがいいでしょう。
この理由はいたってシンプルで、ドラがという上目の牌だからです。
色が違っても、ドラと似たような領域の待ちは、正反対の領域の待ちよりアガりにくいので、を外していけばいいのです。
3つのタイプの<リャンカン形>の考察になりましたが、<リャンカン形>も2つのカンチャン形が合体した形なので、それぞれのタイプを理解し、イーシャンテンやリャンシャンテンの段階で一部を外しておくこと。
この思考が<リャンカン形>には必要です。