
こんなリーチが西家からかかりました。(ドラ
)
このリーチに字牌がロンされる可能性はどれくらいあるのでしょうか?
「ああ、この序盤の切り出しならロンされないケースが圧倒的かな」という人もいれば「ロンされるときはいつだってあるんだから、可能性としては五分五分かな」という人だっているはずです。
では次のリーチはどうでしょう?
同じく東場の西家からのリーチです。(ドラ
)
最初に挙げた河とは明らかに違う序盤の様相ですから、リーチを受けた側の思考や感覚にも違いが生じて当然でしょう。
「ああこれね。偶数牌が多めに切られている序盤から、このリーチに字牌がロンされる可能性はけっこう高いかな」という人がいて不思議ではありませんし、
「ちょっと変則的な切り出しに見えるけど、字牌がアンコになったり、アタマで使われてたりするケースもあるから、可能性としては五分五分かな」という人もいるはずです。
リーチがかかったら、まず考えることとして、そのリーチに字牌がロンされるのか否かを判断することはとても重要です。
生牌だから・・・とか、役牌だから・・・とか、そんな理由で字牌を切れなくなってしまうのはあまりにもったいない話だと思います。
ですから、まずは自分が字牌を活用するときの手順、とくに序盤(6巡目まで)の手順を覚えておくことから始めましょう。
東3局西家のあなたの配牌です。
第1ツモ
打牌 ![]()
第2ツモ
打牌 ![]()
第3ツモ
打牌 ![]()
第4ツモ
打牌 ![]()
第5ツモ
打牌 ![]()
第6ツモ
打牌 ![]()
こんなイーシャンテンになっているはずで、そのときの河は、
です。
では似たような配牌でツモが少し違う場合はどうなるのか、見てみましょう。
第1ツモ
打牌 ![]()
第2ツモ
打牌 ![]()
第3ツモ
打牌 ![]()
第4ツモ
打牌 ![]()
第5ツモ
打牌 ![]()
第6ツモ
打牌 ![]()
こんなイーシャンテンになっていて、そのときの河は、
です。
最初の河との比較をしてみますと、
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上の河の手牌には字牌のトイツが2組あり、下の河の手牌には字牌がありません。
つまり字牌をトイツで持っている手牌は、数牌のタンヤオ牌が手から押し出されるように河に放出されることになるのです。
私の60年近いキャリアからもその河の特徴は導き出されていて、キーになる牌は<2>や<8>なのです。
とくに1〜3巡目に<2>と<8>が出現する河は、字牌の中でも役牌をトイツで抱えていることが多いので注目に値します。
次に考えておくべき字牌待ちの特性としては、七対子狙いがあります。
まずは5巡目あたりの早いリーチについて。
(すべて東場の親のリーチとします)(ドラ
)
(A)〜(D)のリーチのうち、七対子リーチに見えるものはどれでしょう。
冒頭の話のなかで、「字牌でロンされるときはいつだってあるんだから、七対子かそうでないかも五分五分だろう」という意見があることは承知していますが、それでも私は七対子リーチには特徴があると思っています。
もっともツモがあれよあれよという間に七対子になってしまうレアケースもあって、そんなときの河はいたって平凡になります。
配牌
打牌 ![]()
第2ツモ
打牌 ![]()
第3ツモ
打牌 ![]()
第4ツモ
打牌 ![]()
第5ツモ
打牌
リーチ
このときの河が
いたってオーソドックスな(A)と似たような河ですから、七対子に見えるはずもなく、字牌の
は誰にも止められないでしょう。
ただし、このような読まれない河はレアケースであるため、麻雀で何らかの規則性を見つけるときには除外していい例になります。
もう1度(A)〜(D)の選定に戻ります。
(A)はごくごくオーソドックスな河。
(B)もリーチ表示牌が
であることは少し気になるものの、七対子リーチには見えません。
(C)は字牌が1枚も切られていない異常な河ですから、字牌待ちは要警戒で、七対子の可能性もけっこうあります。
(D)は七対子リーチの典型で、
切りの後の
切りリーチですから、字牌待ち、とくにドラ
待ちは本線かもしれません。
七対子リーチにはもうひとつチェックポイントがあって、それは4者の河です。
6巡目までに同じ人が数牌のトイツかぶりをしていて、そのトイツかぶりが複数人いると、トイツが増えやすい場ということになり、七対子リーチが出現しやすいんです。
たとえば、6巡目までの河が(ドラ
)
こんな場況でDさんからリーチがかかった場合は、ほぼ七対子と考えてよく、字牌待ちは要警戒となります。
このDさんのケースもそうなのですが、もうひとつ字牌待ちを示唆するヒントとして、<リーチ宣言牌>があります。
丸暗記でいいので覚えておいて損がないこととして、<リーチ宣言牌>が字牌や1・9牌のときは(注:安全牌は除く)字牌待ちに注意を払ったほうがいいのです。
ここで違和感を抱いたほうがいいリーチの河を列挙しておきます。(ドラ
)
(a)
(b)
(c)
(d)
(a)はシャンポンリーチ
(b)はタンキリーチ
(c)はシャンポンリーチ
(d)はタンキリーチ
のように読めるようになれば、字牌待ちリーチが肌感覚で理解できるはずです。
また学習能力の高い人は、対局動画・ネット麻雀の再生などを通して、字牌待ちリーチだけをピックアップし、その河をチェックすることによってパターン化できるはずです。
レアケースを除いて、字牌待ちには特徴があります。
その特徴さえ掴んでおけば、リーチに対してやみくもに字牌が通せなくなるケースは激減するはずです。
しかもその特徴は難解なものではなく、パターン化して覚えられる簡単なものばかりです。
レアケースまで心配すると、いつだってロンされる気持ちになってしまいますが、レアケースでロンされたら「運が悪かった」と思って受け流してしまえばいいんです。
無責任に聴こえるかもしれませんが、字牌待ちに強くなるためには、レアケースの心配はしない、それに尽きます。