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土田浩翔プロ 特別書き下ろしコラム
14人の師

(つちだ こうしょう)
土田浩翔 第11、22期鳳凰位・第22、23期十段位、第26期王位/他多数
著書「土田流麻雀 仕掛けを極める」
「最強麻雀土田システム」
「麻雀が強くなるトイツ理論」

第十打 「棒仕掛けに思う」 2013/08/23

〔棒テン即リーチ〕という言葉がありますが、テンパイしたら何でもリーチをかけるという意味に加え、創意工夫のないテンパイ一直線打法への戒めもこめられています。

第九打のコラムでも、そのあたりの話は触れましたが、今回も似たような意味合いで、近ごろ流行の〔棒仕掛け〕について、私の思うところを書いてみようと思います。

二萬三萬六萬八萬八萬三筒四筒四筒六筒八筒白白白四筒ドラ

白を5巡目にポンした南家は、次巡親から打たれた生牌の一萬をチー。何を切るのか見ていると六萬に手をかけ、手牌を7枚のイーシャンテンにしました。

八萬八萬三筒四筒四筒六筒八筒一萬二萬三萬白白白

そして10巡目に西家が切った八萬をポンしてテンパイを入れました。

四筒四筒六筒八筒八萬八萬八萬一萬二萬三萬白白白

ドラが2枚ありますから、3900点のテンパイなのですが、この仕掛け方に違和感を覚えない方も多いかもしれません。

もちろん、頭ごなしに否定するつもりは毛頭ありません。でも何かしっくりこないところがあります。

私は仕掛けには2パターンあると考えています。

ひとつめは〔速攻仕掛け〕

〔速攻〕と呼ぶからには、1巡でも早くアガり切る仕掛けをすることに主眼を置くもので、どの部分でフィニッシュさせるのか?打ち手の技量が試される仕掛けと言えます。

この〔速攻仕掛け〕の意味を勘違いしてしまうと、1巡でも早くテンパイさせればいいという考え方に陥ってしまいます。

一萬一萬二萬四萬六萬七筒七筒八筒一索一索一索中中六萬ドラ

この手牌を〔速攻仕掛け〕しようと思ったら、まず第一に考えるべきことは、フィニッシュ(テンパイ)になってはいけない部分はどこなのか?そこが〔速攻仕掛け〕の成否に直結します。

初歩の初歩なのでわかり易いと思いますが、この手牌では、ワンズの二萬四萬六萬の部分さえフィニッシュにならなければ、〔速攻仕掛け〕は決まるはずです。

どうしてワンズの二萬四萬六萬の部分がテンパイまで未処理になると〔速攻仕掛け〕が決まらないのか?

それは、カン三萬待ちになるにせよ、ドラ表示牌のカン五萬待ちになるにせよ、他家から早めにこぼれてくるような牌では無いからです。

逆に六筒九筒待ちのリャンメンが残った仕掛け方はどうでしょう?

シュンツとして使い易い六筒はともかく、端牌の九筒は他家から早めにこぼれてくる可能性の高い牌と言えるでしょう。

ですから役牌の中から〔速攻仕掛け〕を入れたとき、残された手牌はこうなります。

一萬一萬二萬四萬六萬七筒八筒一索一索一索中中中

この形から六筒九筒が出てきてもグッとこらえてチーは入れず、自力で三萬五萬を引き入れるか、運良く上家から三萬五萬をチー出来るまで待つことです。

勘違いし易いのは、上家から三萬五萬がチー出来ることを期待するくらいなら、先に六筒九筒をチーしたって同じではないか。ましてや、テンパイさえ入れておけば、上家以外からでも三萬五萬が打ち出されてくることだってあるはず…という考え方です。

本当にそうでしょうか?

一萬一萬二萬四萬一索一索一索九筒七筒八筒中中中
一萬一萬四萬六萬一索一索一索九筒七筒八筒中中中

中をポンした後に六筒九筒をチーすると、この2通りのテンパイになります。

上のケースは、六筒九筒をチーして打六萬、下のケースは、六筒九筒をチーして打二萬となり、どちらかのカンチャン待ちを渋々選択しなければなりません。しかも六筒九筒をチーした時の打牌によって、テンパイや残った形を読まれ易くもなります。

ところが、カン三萬もしくはカン五萬からチー出来た場合は…

一萬一萬七筒八筒一索一索一索三萬二萬四萬中中中
一萬一萬七筒八筒一索一索一索五萬四萬六萬中中中

それぞれのテンパイ打牌が、六萬二萬となり、処理済みの打牌ゆえ、テンパイ部分が読まれにくくなります。

もう1度仕掛け前の手牌に戻します。

一萬一萬二萬四萬六萬七筒七筒八筒一索一索一索中中六萬ドラ

〔速攻仕掛け〕をしたいと思ったら、手牌全体を見渡し、テンパイになると時間がかかりそうな部分に着目することが大切です。

この手牌で言えば、ワンズの二萬四萬六萬部分ですから、この部分から初動をかけてもいいくらいなのです。

つまり中より先に上家から三萬五萬が打ち出されたら、迷わずチーして中の後付け仕掛けに出るのです。

残された形は次のようになりますから…

一萬一萬七筒七筒八筒一索一索一索中中三萬二萬四萬
一萬一萬七筒七筒八筒一索一索一索中中五萬四萬六萬

こうなれば〔速攻仕掛け〕は決まったも同然なのです。

もう1度念押ししておきます。

〔速攻仕掛け〕とは、1巡でも早くアガり切るための仕掛けであり、打点は問わず、シンプルにアガることが主眼になります。

そのとき、勘違いしてはいけないこと、それは1巡でも早くテンパイさせる〔棒仕掛け〕の採用。思考の関与しない〔棒仕掛け〕の危険性を知ることです。

仕掛けの2パターン目は、〔打点系仕掛け〕です。

複数のドラや赤がある手牌、一色手牌などがその代表でしょうか。

この〔打点系仕掛け〕を敢行する際も、〔棒仕掛け〕は慎んだほうがいいのです。と言うより、〔速攻仕掛け〕時よりも慎重になったほうがいいと思います。

三萬赤五萬五萬三筒四筒六筒八筒二索二索三索四索五索六索二索ドラ

マンガンが見えているからと、この手牌から二筒をチーして六索を切ったとしましょうか。残された形はと言うと…

三萬赤五萬五萬六筒八筒二索二索三索四索五索二筒三筒四筒

確かにこれでマンガンのイーシャンテンになりますが、カン四萬、カン七筒、はたまた五萬二索のアンコのポンをクリアしていくのは大変な作業になります。

〔打点系仕掛け〕成就のコツは、一にも二にもその初動に尽きます。

そしてその大事な初動は、テンパイになって欲しくない部分から入れること、これが基本というか鉄則になります。

この手牌で言えば、カン七筒部分、ここから初動をかけられれば、アガりがグッと近づくはずなのです。

三萬赤五萬五萬三筒四筒二索二索三索四索五索七筒六筒八筒

ひとつ工夫するだけで和了確率が格段にアップするわけですから、2つ工夫すればアガったも同然の仕掛けになることを肝に銘じて〔打点系仕掛け〕にトライしてみてください。

まだまだお伝えしたいことはありますが、今回はこのあたりに留めておきます。

〔棒仕掛け〕が氾濫しているこの頃ではありますが、賢明なる丸雀ファンの皆さんであれば、私のアドバイスに耳を傾けていただけるのではないでしょうか。

さあ、今日から是非お試しあれ!

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