
テンパイすると条件反射的に「リーチ」と発声してしまう人のなんと多いことか。
テンパイがゴールではありません。
「リーチ」以外の選択肢は4つあります。
[1] テンパイとらず
[2] 手替わり待ちヤミテン
[3] オリることを踏まえてのヤミテン
[4] 1巡でも早くアガるためのヤミテン
今回のコラムは[4]について深掘りしていきたいと思います。
[4]の1巡でも早くアガる意図をもってのヤミテン策を細分化すると7つに分けられます。
(1) 待ちが悪い高打点テンパイ
(2) すぐに出てきそうな高打点テンパイ
(3) 待ちがあまりよくないリャンメンテンパイ
(4) 待ちがいい1ハンテンパイ
(5) 親落としが求められている局
(6) 自分の調子がよくない局
(7) 先制リーチの現物待ちテンパイ
これらの具体例を挙げると(いずれもドラは
)
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)(6)(7)はそれぞれ状況に応じて使い分けるものですから、その判断の優劣によって結果も変わってくるはずです。
(1)については日頃の剛腕ぶりを発揮して「リーチ」をかける猛者もいるかもしれません。
ただ、尖張牌〔3・7〕だけを待つ形はその待ちが残ってしまったことに対する警戒心が薄すぎると言えるでしょう。
尖張牌はシュンツ作りの要(かなめ)となる牌で、通常は手牌に組み込まれやすく、危険と感じたらその尖張牌を軸に組み合わせを立て直しやすいので「リーチ」においそれと打ち出される牌ではありません。
たまに
で待つ自分の河に
があったりすると釣り出せるのでは?という考えがムクムク頭をもたげてきて「リーチ」となるわけですが、そういう甘えは禁物です。
例外的に
こんな河で「リーチ」といけるならそれはかけたほうがお得な河ということになるのでしょうが、なかなかそんな河にはなりませんからスジ待ちだからと甘えないほうがいいでしょう。
高打点のテンパイをリーチするという力でねじ伏せにいくようなプレーは、待ちが悪いときにはしないという冷静さが求められます。
(2)については「リーチ」「リーチ」と思ってしまうテンパイばかりです。
とくに![]()
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のような3メン待ちになると喜び勇んで「リーチ」と踏み込みそうですが、場にマンズが安いとか、その局の親が切ってくれそうだとかの状況になってない限りヤミテンをオススメします。
テンパイに至るまでのツモが良かったから「リーチ」でいいだろうという考えかたもあるでしょう。
カンチャンやペンチャンからどんどん埋まってリャンメンや3メン待ちテンパイになったときなどは、気分も最高でしょうから「リーチ」と高らかに宣言したくなります。
しかし、ヤミテンであればもっと確実にマンガンやハネ満をアガれていたはずなのに、空振りする可能性を高めてしまう「リーチ」はやはり考えものなのです。
とくにタンキ待ちの場合には「リーチ」と宣言したばかりに手になってない人が「じゃあやめようかな」とツモ切りしていたはずの1枚切れの字牌を止めてしまうなんて話は日常茶飯事なのです。
高打点のアガリやすそうなテンパイをしたときには独りよがりな都合のいい判断をしないことが大切です。
「リーチ」をかければハネ満や倍満になっていたのに、とツモってから後悔してしまう人はまだまだ未熟です。
「リーチ」をかけると一発を消そうとする動きがあるなど、人の心の動きは読みにくいものですから、プレッシャーを相手に与えないこともアガリを確実にする手段となるのです。
こう書くと、プレッシャーをかけないと相手に自由に打たれてアガれる手もつぶされてしまうから「リーチ」は絶大な力を発揮するのでは?という反論もありそうですが、ヤミテンの効能のほうが大きいと私は思っています。
(3)については、基本的に心牌〔5〕を使ったリャンメン待ちを指しています。
〔5〕を使うリャンメン待ちは〔45〕と〔56〕の2通り。
待ちかたは〔3・6〕と〔4・7〕で、この2つの待ちには尖張牌〔3・7〕が含まれています。
リャンメン待ちは
〔1・4〕〔6・9〕
〔2・5〕〔5・8〕
〔3・6〕〔4・7〕
の3パターンに分けられますが、〔45〕と〔56〕だけが尖張牌を含む待ちになるため、他の2パターンの待ちかたより「リーチ」をかけるとロンアガリしにくくなってしまうのです。
ましてや(3)の具体例に挙げたような自身で尖張牌を複数使って更に尖張牌で待つ「リーチ」はもうあり得ない「リーチ」に映ってしまいます。
それでも10回に1〜2回アガれてしまうこともありますから、その成功体験によってまた「リーチ」をかけてしまうのです。
人は成功体験が記憶に残りやすく失敗体験は忘れやすい実に身勝手な構造になっていますから注意が必要です。
リャンメン待ちだから「リーチ」しようと考えるのは初級者までの話。
リャンメンであっても待ちのランクに応じて「リーチ」するしないの判断を心がけると中級〜上級の道を歩けるようになるでしょう。
(4)については理解しにくい話かもしれませんね。
待ちがいいのに「リーチ」をしないなんて考えられないという人も多いはずです。
とくにタンヤオや役牌の手役が付いていると「リーチ」をかけてツモって裏ドラ1枚乗ればマンガンになりますし、待ちがいいからツモれるのではという期待感が充満しての「リーチ」判断となるのでしょう。
ピンフのみの1ハン手とて、子でツモって裏ドラ1枚で1300・2600、雀頭が裏ドラならマンガンになるので待ちが良ければ何の迷いもなく「リーチ」をかけるはず。
ましてや親ならば…2600オールは当然として4000オールまでありえるわけですから子方を抑え込む意味も含めて「リーチ」が正義となっていることは理解しています。
それでも私は1ハンテンパイにはヤミテンが似合っていると思っています。
そもそもテンパイした手牌に対して「親だから」とか「子だから」とかいう前提でアクションを変えるのは賢い考えかただとは思えません。
解説時に「親ですからね、これはリーチでしょう」とか「連荘したいでしょうから、これは鳴くでしょう」とか話すこともありますが、それは打ち手の心情に寄り添ったもので私の思考とは違うことも多いのです。
それくらい世のマジョリティとして親番は別格なものという判断となっていますが、打ち方としては手牌に寄り添ったほうがいいと思っていて、親子の別なく打って欲しいなと。
ですから(4)のような今にもアガれそうな、言い換えればツモれそうな1ハンテンパイをしたときでも、せめて(5)(6)(7)の理由をもってヤミテンにする局を作って欲しいのです。
世は「リーチ」全盛期。
でもそういう時代であればこそ、ヤミテンを駆使することによってトップを取るリズムや勝利のリズムを掴んで欲しいなと切に願うばかりです。