私が第1打に字牌を切らなくなってから四半世紀以上経ちますが、その恩恵は計り知れないくらいあります。
なかでも<字牌>の魅力については、一冊の本が書けるほど、切らなくなったからこそ気づけたことが沢山あります。
字牌が使える役満を挙げてみると
<メンゼン>
<仕掛けOK>
注:天和・地和は除く
次に通常の手役を挙げてみると
<メンゼン>
注:立直は除く
<仕掛けOK>
こうして並べてみるとわかるように、役満以外の手役で字牌の使用禁止は
この3つしかありません。
にもかかわらず、第1打~第4打あたりまでの河に切られる字牌の多いこと多いこと。
みんな、赤があるからタンヤオ目指して打っているのかな~?
でも<高打点>を叩いていくには、けっこう字牌が役に立ちますし、河に切られる確率は高いので、縦
横無尽な活躍が期待できる牌たちだと考えています。
頻度の高い手役でいえば
これらが<字牌四天王役>ですから、配牌~3巡目あたりまでに、いつの場合でも<四天王>を意識して打つように心がけています。
〔3巡目・ドラはすべてです〕
A~D、どれかを手にしたいとするならば、皆さんはどの手牌を選びますか?
どれも大したことないから「パス」、と思った方も多いのではないでしょうか。
手中にある字牌がすべて生牌だったとしても、オタ風にあたる風牌か、人によっては場風にあたる牌から河に並べていく、そんな傾向が強いような気がします。
私の選択はと云いますと…
Aは→と外していき、七対子を狙います。
3巡目で3トイツあれば、このあと6回ツモれる9巡目あたりには、「リーチ!」となっていそうな…悪くてもイーシャンテンくらいには、そんな考えで手を進めます。
甘~い見立てをしています。
Bは→と外していき、混一色を狙います。
かなり無理がある狙いなのでは?と呆れられてしまいそうですが、のどれかが重なれば、ポン・ポ~ンと動いていけそうです。
混一色は<仕掛け役>と思っていますから、メンゼンでツモを味わうという感覚から離れて、動きながらツモを味わっていく感覚に浸りたいなと思います。
美味しい見立てをしています。
Cは→と外していき、対々和を狙います。
七対子狙いとの違いは、手中にあるトイツの性質の違いです。
対々和は混一色と同じ<仕掛け役>ですから、ポン・ポ~ンと動きながらツモを味わっていく感覚に浸ります。
そのためには、リズムよくポン・ポ~ンと動きたいので、他家が切ってくれそうな(手牌に不要になりやすい)性質の牌たちがトイツであることが対々和狙いの条件となります。
つまり、字牌か1・9牌、ちょっと甘めにみて2・8牌たちがトイツになっている手牌が、対々和チャンスなのです。
Cの手牌はがアンコで、とがトイツです。
、、、、という孤立牌が重なってくれれば、対々和まっしぐらということになるのです。
気持ちのイイ見立てをしています。
Dは→と外していき、三暗刻を狙います。
Cとの違いは、手中のトイツとが対々和に適した素材ではないところにあり、ならばアンコ作りに精を出そうかという手筋の選択になります。
場風だったり自風だったり、あるいはがトイツになると、つい対々和への色気を持ちたくなるのですが、との存在が気がかりで、ぐっとこらえて三暗刻作りに勤しみます。
期待度七割くらいの見立てです。
もう1度A~Dの手牌に目を向けていただきたいと思います。
BとCはがトイツなので、なんとなくアガれる道が開けているように見えるため、孤立字牌に手がかかりそうです。
AとDに関しては、なんとなく孤立字牌に手がかかる感じでしょうか。
でも字牌にはもうひとつの大切な役割があることを忘れてはなりません。
<安全牌>
この役割は打ち手であれば誰しもが認めるところではあるのですが、序盤(1~6巡目あたりまで)の手牌整理を見ていると、安全牌化しやすい字牌が、どんどん手牌から消されていきます。
A~Dの手牌の4巡先、中盤の始まる7巡目あたりで、孤立字牌が見事なまでに河に放出されてしまうのです。
<字牌四天王役>を見つつ、<安全牌>としての価値を高めていく字牌の威力をもう少しだけ見直してもよいのではないか。
昨今の字牌乱打ぶりを見るにつけ、「逆もまた真なり」を強く感じる私の呟きでした。