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土田浩翔プロ 特別書き下ろしコラム
14人の師

(つちだ こうしょう)
土田浩翔 第11、22期鳳凰位・第22、23期十段位、第26期王位/他多数
著書「土田流麻雀 仕掛けを極める」
「最強麻雀土田システム」
「麻雀が強くなるトイツ理論」

第四十五打「暗槓非開示推進派」 2019/10/30

三萬四萬六萬六萬六萬二筒二筒二筒六筒七筒四索赤五索六索 五萬ドラ

この手牌になったのが6巡目のこと。

二萬三萬四萬五萬

五筒六筒七筒八筒

どれが引けても、最低でも7700が貰える親リーチになり、内心ウハウハのイーシャンテン形でした。

7巡目、ツモ六萬

素直に暗槓すれば、今度は最低点が9600にアップするリーチが打てるので、喜んで「カン!」と宣言しました。

リンシャン牌は?と期待したものの、場に2枚切れの西で、楽しみは次巡以降に持ち越しとなりました。

同巡、南家は七萬をツモってフッと息を吐きました。

五萬五萬七萬八萬三筒三筒四筒四筒赤五筒六筒八筒八筒八筒 七萬ツモ 五萬ドラ

ドラドラ赤1のチャンス手で、上家の親が六萬を切ってくれたら、場には九萬が2枚出ていることもあって、チーテンのマンガンテンパイをとるつもりでいました。

そんな折、あろうことか欲しかった六萬を親が暗槓し、大きく誤算が生じた瞬間の七萬ツモでしたから、南家としてはピンチをチャンスに変える転機が訪れたも同然でした。

選択肢は3つ。

六萬九萬が残り山に極薄となったので、その受けを拒否する八萬切り。

五萬五萬七萬七萬三筒三筒四筒四筒赤五筒六筒八筒八筒八筒 五萬ドラ

こうしておけば、ポンテン・チーテンもとれますし、七対子や三暗刻の可能性も残るので、むしろ視界が広がった感すらあります。

2つめの選択は六筒切り。

五萬五萬七萬七萬八萬三筒三筒四筒四筒赤五筒八筒八筒八筒 五萬ドラ

八萬切りとの大きな違いは、五筒が引けてタンヤオ・七対子・ドラドラ・赤のハネマンテンパイになった時、その待ちを六萬暗槓の外側でアガリ易そうな八萬にできること。

もちろん、残り山に八萬がありそうだから、七対子との天秤もかけやすいという考え方もあるでしょう。

ただし、ツモ三筒でのツモり三暗刻テンパイにはならないため、若干ロスが生じやすい構えかもしれません。

最後の選択は八筒切り。

五萬五萬七萬七萬八萬三筒三筒四筒四筒赤五筒六筒八筒八筒 五萬ドラ

暗刻の八筒を1枚外しての七対子決め打ちで、暗刻手もイーペーコーも拒否する大胆不敵な選択となりますから、相当な腹のくくり方が必要です。

七対子が好きな人であれば、すぐに合点がいくと思いますが、七対子テンパイに必要な牌、八萬五筒六筒すべてが<スジ対子>の対象牌となっているのです。

八萬のスジ五萬が対子、五筒のスジ八筒が対子、六筒のスジ三筒が対子なので、いかにもこの手牌は七対子で仕上がりますよ的なサインが出ていると考えるのです。

実際、南家の選択は八筒でした。

仮にという話であれば、六萬の暗槓が入っていなければ南家としてここまで大胆な選択は出来なかったはずで、六筒切りがせいぜいだったのではないでしょうか。

9巡目、親のツモは三萬

当然のごとく四萬を横に曲げてリーチ。

三萬三萬二筒二筒二筒六筒七筒四索赤五索六索 裏牌六萬六萬裏牌 五萬ドラ

ツモれば文句なしの4000オール、親としては力の入るリーチとなりました。

同巡、南家のツモは五筒

五萬五萬七萬七萬八萬三筒三筒四筒四筒赤五筒六筒八筒八筒 五筒ツモ 五萬ドラ

七対子に決め打っていたので、八萬六筒かの選択になりましたが、六萬暗槓の外側は、親リーチを受けた西家や北家の死角に入りやすいので、六筒を勝負して八萬待ちハネマンテンパイとしました。

仮に六萬が暗槓されずにゲームが進行されていたら南家の手牌はこうなっていましたから

五萬五萬七萬七萬八萬三筒三筒四筒四筒赤五筒八筒八筒八筒 五筒ツモ 五萬ドラ

暗刻の八筒は勝負しにくいので、七萬を切ってリーチ、もしくは九萬が親の現物だったならばヤミテンの六萬九萬待ちになっていたはずです。

11巡目、手詰まりした北家が、六萬の暗槓を頼りにして対子の八萬を落としてきて南家へハネマンの放銃という結末に。

暗槓恐るべし!!

ではなくて…

なぜ日本では暗槓を開示するのでしょうか?

まったくもって不合理極まりない<決め事>で、世界の笑い者になっているような気がしてなりません。

自分の力で4枚にした成果を、何故ゆえ他家にお知らせしなければならないのか、この古くからの<決め事>は、競技という側面からも、断固として『廃止』すべきものなのではないでしょうか。

「カン」と宣言して、手中の4枚を伏せたままチー、ポンと同じ要領で晒す、いたってシンプルでスマートな暗槓になるはずです。

一萬二萬二萬六萬七萬二筒三筒六筒八筒八筒中中中 中ツモ 中ドラ

4巡目の親の手牌です。

現行のままでしたら、ツモってきたドラの中をそのまま切るか、空切りするか、いずれにしても子方のマークが厳しくなる暗槓という選択は避ける人が多いはずです。

なぜなら、ドラの中を4枚開示してから暗槓するという<決め事>があるためです。

これが4枚とも伏せたまま暗槓するという世界共通(日本以外)の決め事で競技が行われていたら…ほとんどの人が堂々と暗槓し、ツモ回数を増やすはずです。

もちろん、用心深い人もいるでしょうから、中盤以降もしかしたら4枚伏せられたまま暗槓されている牌が中なのでは?と怪しまれないように、どこかの巡でさりげなく河に1枚放出する可能性もあるでしょうが…

暗槓すれば符が大きくなる。

暗槓すればドラが増える。

暗槓すれば威嚇できる。

まだ他にも暗槓する理由はあるでしょうが、暗槓した牌を開示する競技的メリットはひとつも無く、遊びごころとして、あるいは博奕的要素としてその<決め事>が長く通用してきたことは残念でなりません。

二萬三萬四萬四萬四萬一筒二筒三筒六筒六筒七筒二索三索 四筒ドラ

6巡目、打ち手は4枚目の四萬をツモってきて少考(3秒ほど)し、リーチをかけずに四萬を暗槓しました。

リンシャンから引いた牌は一索

そして新ドラはなんと四萬!!

「リーチ」

打ち手は七筒を横に曲げました。

二萬三萬一筒二筒三筒六筒六筒一索二索三索 裏牌四萬四萬裏牌 四筒ドラ 四萬槓ドラ

場には一萬が2枚出ていましたが、新ドラが四萬になったため、この一萬、実はとてもいい待ちになっていたのです。

開示された暗槓牌が四萬で、場に2枚切れの一萬がロンされる形は想像しがたく、しかもリーチ表示牌が七筒でしたから、タンキ待ち、しかも地獄タンキの一萬になっているケースは皆無に近く、9巡目にオリを決めていた人から一萬がこぼれてしまったことは、責めきれるものではありませんでした。

暗槓を開示するという<決め事>の虚を突くような戦略も時にはあるもので、だから競技性が損なわれるだけとは限らないという反論もあるでしょうが、手の内にある4枚を開示せよという理由としては弱いと言わざるを得ません。

暗槓を4枚とも伏せたまま晒すという改革をした場合、必ず決めておくべき<決め事>があります。

それは、誰かのアガりの有無にかかわらず、局が終わる時、必ずその伏せた4枚を開示して、他家に何を暗槓したのかを明示する義務を負うという<決め事>です。

この<決め事>をうっかり忘れて次の局に入ってしまった場合には、千点供託もしくはそれに準ずるペナルティを課せられるとしておけば、トラブルも起こらないはずです。

Maru-Janのケースでは、局終了時に暗槓牌が自動的に開示されるシステムになるでしょうから、全く問題ないと思います。

プロ・アマ問わず、競技界に携わる方々、そしてフリー麻雀、健康麻雀、教室に携わる方々は、ルールの統一となるとなかなか歩調を合わせるのは難しいかもしれませんが、暗槓の<決め事>を世界標準に変える歩調は合わせられる可能性はあります。

令和元年、『暗槓非開示』運動を皆さんと一緒に始めてみたい気持ちでいっぱいです。

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