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土田浩翔プロ 特別書き下ろしコラム
14人の師

土田浩翔(つちだ こうしょう)
第11、22期鳳凰位・第22、23期十段位、第26期王位/他多数
著書「土田流麻雀 仕掛けを極める」
「最強麻雀土田システム」
「麻雀が強くなるトイツ理論」

第六十九打「一盃口考」 2026/05/20


一盃口という手役は難しい割に1ハン役であることから人気がありません。

人気がないために一盃口役そのものへの掘り下げた話をあまり耳にしません。

まるで偶然役の如く打ち手に相手にされていない一盃口に今回はスポットライトを当ててみようかなと思います。

一盃口はどうして割に合わない手役に感じてしまうのか?

それはひとえにカンチャン形やペンチャン形をイメージさせてしまうからではないでしょうか。

高め一盃口になるリャンメン形であれば苦もなく受け入れられるのですが、確定形であるカンチャン一盃口形やペンチャン一盃口形が打ち手の悩みの種となっているのでしょう。

そこで、リャンメン形ではない一盃口形の分類から始めてみます。

A型  一萬一萬二萬三萬三萬  七萬七萬八萬九萬九萬

B型  四萬四萬五萬六萬六萬

C型  三萬三萬四萬五萬五萬  五萬五萬六萬七萬七萬

D型  二萬二萬三萬四萬四萬  六萬六萬七萬八萬八萬

E型  一萬一萬二萬二萬三萬  七萬八萬八萬九萬九萬

このA型〜E型はこの一盃口形でテンパイしたときのアガリやすさの順になっています。

もちろんその際の場況はアガリやすさに考慮されるものではなく、あくまでも場況からのヒントはないフラットなものと仮定します。

科学的根拠は?と問われると返答に窮してしまいますが、私が60年で培ってきた経験則を基にA型〜E型をランク分けしました。

E型については異論を挟む余地がなく、A型〜D型の一盃口形とは違って、待ちの部分が囲まれていないペンチャン形で、アガリにくさには定評があります。

A型〜D型の分類根拠に当たって、1〜9の数牌のアガリやすさについておさらいしておきましょう。

1と9  数牌の中で一番出アガリしやすい牌であり、

     中盤以降、生牌でない限り残り山に残っている

     可能性大。

2と8  数牌の中で1と9の次に出アガリしやすい牌で

     あるものの、中盤以降、1枚切れや2枚切れ

     でも残り山に残っている可能性は4割くらい。

3と7  数牌の中で一番手牌に組み込まれやすい

     牌であり、中盤以降、ポロっと出てくるような

     牌ではなく極めて出アガリしにくい。

4と6  赤牌と関連性の強い牌であるため、

     中盤以降、もっとも警戒度の高まる牌であり、

     3や7に負けず劣らず出アガリしにくい。

5    1〜9の数牌のど真ん中に位置するため、

     シュンツ作りをする際、

     赤牌でないかぎり余りやすく、中盤以降、

     3467よりは出アガリしやすい。

尚、3〜7までの数牌に対する山読みは、場況によって大きく変化するものなので、一般化した読み方は出来ません。

A型の待ちは2か8

B型の待ちは 5

C型の待ちは4か6

D型の待ちは3か7

いくら2枚ずつの牌に囲まれているカンチャン形とはいえ、自らが1枚使っていることを踏まえると、通常の単独カンチャン形と出アガリ率はさほど変わりありません。

従って、一盃口形のアガリやすさは、数牌そのもののアガリやすさに比例するという結論となり、A型から順にアガリ易い一盃口形と言えるのです。

次にリャンメン一盃口形(未完成)テンパイのアガリやすさについても押さえておきましょう。

A型  一萬二萬二萬三萬三萬  七萬七萬八萬八萬九萬

B型  二萬三萬三萬四萬四萬  六萬六萬七萬七萬八萬

C型  三萬三萬四萬四萬五萬  五萬六萬六萬七萬七萬

D型  二萬二萬三萬三萬四萬  六萬七萬七萬八萬八萬

E型  四萬五萬五萬六萬六萬  四萬四萬五萬五萬六萬

F型  三萬四萬四萬五萬五萬  五萬五萬六萬六萬七萬

すでにご理解されているように、数字の出アガリやすさと、中盤以降、山に残っている場合のツモりやすさに即したA型〜F型の分類になっています。

D型とE型については、高め一盃口になる数牌のアガリやすさは変わらないものの、安めのアガリやすさが段違いなため、D型とE型に分けました。

一盃口部分が未完成時のリーチの是非について、これらの分類から結論を出してみましょう。

カンチャン・ペンチャン一盃口形

A型 リーチ

B型 リーチ

C型 リーチorヤミテン

D型 ヤミテン

E型 ヤミテン

C型に関しては、リーチをかければ5200や7700になるような十分に打点があるケースならリーチで、単に一盃口のみの手牌においてはヤミテンが賢明です。

もっとも、リーチ判断に関しては、自身の運量とか、場況とか、親の運量とかによって変化するものですから、あくまでもフラットに考えたときのリーチ判断になります。

リャンメン一盃口形

A型 リーチ

B型 リーチ

C型 リーチ

D型 リーチ

E型 リーチorヤミテン

F型 ヤミテン

E型に関しては、C型カンチャン同様に、リーチをかければ5200や7700になるような打点がアップするケースではかけたほうがいいでしょう。

すでに5200や7700以上ある手牌ではヤミテンが賢明ですし、安めピンフのみの手牌もアガリ率を下げないヤミテンが得策です。

高い手は確実に仕留め、安い手は1巡でも早くアガるという勝ち組の基本を守ることが上達への一歩となります。

リャンメン形でテンパイして、その手牌に一盃口が含まれていると(未完成形も含め)気分が良くなってつい「リーチ」と出かけてしまうものですが、かけないほうがいいテンパイも沢山あることを忘れないように。

1半荘に平均3回リーチをかけるとしましょうか(もっと多い人もいるはず)。

1日に4半荘するとしましょうか。

1週間に2日するとしましょうか。

ひと月にざっと32ゲームになります。

1年では384ゲームほどですから、ざっと400ゲーム打ったとき、リーチ棒は×3ですから1200本=120万点出していることになります。

そして…あなたのリーチ成功率は?

50%を超えていたら一流プレーヤー。

まあ、40%あたりでしょうか。

となると720本=72万点のリーチ棒が誰かの元へ入っているのです。

50%としても、600本=60万点の空振りですから、テンパイして嬉しくなって、あるいは欲に駆られて「リーチ」をかけるあなた自身に少しだけブレーキをかけることも忘れてはなりません。

あれれ、一盃口を考える話からリーチを考える話に移りそうです。

このあたりで失礼しておきます。

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