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土田浩翔プロ 特別書き下ろしコラム
14人の師

土田浩翔(つちだ こうしょう)
第11、22期鳳凰位・第22、23期十段位、第26期王位/他多数
著書「土田流麻雀 仕掛けを極める」
「最強麻雀土田システム」
「麻雀が強くなるトイツ理論」

第七十打「変則鳴きへのチャレンジ」 2026/07/16

<鳴き>は和了に近づける手段として使うことが多いため、ふつうは<鳴き>を入れるとシャンテン数は減っていきます。

その<鳴き>に工夫を加えると、シャンテン数が減らなくても打点上昇が見込めるような動きかたもあります。

また、相手にその<鳴き>の意図を読まれにくくしながら高打点和了を目指せる動きかたもあり、今回はその<鳴き>のテクニックをお伝えしていこうと思います。

例1 東3局西家4巡目 ▲2000

六萬七萬八萬七筒九筒二索二索三索三索七索八索北北北ドラ

カン八筒一索二索三索四索六索九索北が引ければピンフ形あるいはドラ3のリーチが打てる手牌です。

そんなことを想定していた4巡目、上家から九萬が切られました。

メンゼン手順に頭が支配されていると、この九萬に<鳴き>を入れることができません。

チー九萬 打三索

このように動くと手牌はこうなります。

六萬七筒九筒二索二索三索七索八索北北九萬七萬八萬 北ドラ

狙いはチャンタ三色。

もちろん北をポンしての三色ドラ3も視野に入っています。

赤入りルール下においては、端牌が絡むチーには迫力が感じられないので、北がドラとはいえ、この九萬を1つ鳴いただけではマークがきつくなる心配はほとんどありません。

ただし、九萬チーのあと、一索はチーしません。

シャンテン数を減らしたい気持ちはわかりますが、この手牌のメインは三色で、チャンタにこだわり過ぎてはいけません。

九萬のあとは八筒九索だけ<鳴き>を入れます。

相手次第(レベルの高い相手)ではドラの北すらポンしないほうがいいでしょう。

それくらい<鳴き>で和了させる手順には繊細な思考が求められているのです。

次なる手牌はこちら。

例2 東4局南家7巡目 +4000

  二萬三萬四萬四萬六萬四筒赤五筒四索五索六索七索中中 中ドラ

赤・ドラ2のイーシャンテンで、うまくいけば三色も加わるかもしれません。

うまくソーズが3メン形に伸びれば三色は諦めてのリーチ手順に入れます。

そんなことを考えていた7巡目、上家から一萬が切られました。

「チー」 打七索

「えっ!?」

チーを入れると手牌はこうなります。

四萬四萬六萬四筒赤五筒四索五索六索中中一萬二萬三萬 中ドラ

ソーズの3メン形変化を無視し、リーチの権利すら棄てる蛮行に映るかもしれません。

ただこの<鳴き>によって、ドラの中がアンコになってもポンできてもテンパイになるメリットが生まれています。

またこのあと五萬六筒がチーできたら、三色・赤・ドラ2のマンガンがテンパイとなります。

  四筒赤五筒四索五索六索中中五萬四萬六萬 一萬二萬三萬中ドラ
  四萬六萬四索五索六索中中六筒四筒赤五筒一萬二萬三萬

三筒六筒待ちになったとき、六筒でしか和了できないことを不安視する人もいるようですが、カン五萬待ちも六筒待ちも似たようなものです。

もし三筒を引いてしまったらフリテンになりロンできなくなる心配をする人は<鳴き>の幅が狭まるので気を付けましょう。

この一萬のチーをスムーズにできるようになれば<鳴き>のスキルがワンランクアップするはずです。

次なる手牌はこれです。

例3 東3局東家5巡目 ▲3000

一萬一萬二萬四萬六萬七索七索八索八索九索九索東東五萬ドラ

ドラの五萬が引ければ、リーチをかけなくても東で親満の和了となる好手牌です。

また二萬四萬六萬が重なれば七対子テンパイとなり、手ごろな待ちに替えてリーチをかけ、ツモって裏ドラ乗せて6000オールも叶わぬ夢とは言えません。

そんなことを考えていた5巡目に西家が七索を切ってきました。

ポンしますか?

ポンしなければ堂々たるイーシャンテンですから愚かな<鳴き>に映るため、よほどのポン愛好者でないかぎり「ポン」の声は出ないはずです。

ただし、その固定観念というか先入観があなたの麻雀の幅を狭めているかもしれないことも事実なんです。

七索をポンして打二萬

一萬一萬四萬六萬八索八索九索九索東東七索七索七索 五萬ドラ

ここからが<鳴き>のテクニック。

七索ポンのあと、1枚目の一萬九索はポンしないこと。

七索ポン一萬ポン、もしくは七索ポン九索ポンとしてしまうと、狙いは対々和プラス役牌という読みが子方に働くため、おいそれと連風牌の東は場に姿を現さなくなるでしょう。

ですから七索ポンのあとは東ポンができるような環境を整えておくことが肝要です。

もっとも七索ポンのあとの八索ポンは許容できるので(喰いタンヤオの可能性もあるため)2鳴きする必要はありません。

マンズの払い方が六萬四萬二萬ではなく、二萬四萬六萬となるのは、うっかり赤五萬を引いてきたときの備えプラス、切り順を見た子方が喰いタンヤオのマークを強めて連風牌への警戒度を緩める可能性があるからです。

なかなかこのような一盃口完成形に<鳴き>を入れていくのは勇気のいることですが、喰わず嫌いにならないことも大切なのです。

ラストもう1例。

例4 南1局南家6巡目 +6000

  二萬二萬三萬四萬赤五萬五萬七萬五筒六筒四索赤五索六索七索 六筒ドラ

実に美しいイーシャンテン形です。

六萬を引いてリーチをかけて七筒での和了はツモ・ロンに関わらず倍満となりますから、ワクワクしながらツモっているはずです。

六萬とはならなくても四萬が引けて四筒も引ければこんなテンパイになります。

  二萬二萬三萬四萬四萬赤五萬五萬四筒五筒六筒四索赤五索六索 六筒ドラ

リーチをかけなくても安め三萬ロンでハネ満、高め六萬ツモで倍満和了となります。

ですからメンゼンにこだわって打ちたくなる気持ちも十分理解できます。

そんなところに6巡目、親が二萬を切ってきました。

この二萬をポンして七萬を切る人がどれほどいるでしょうか。

  三萬四萬赤五萬五萬五筒六筒四索赤五索六索七索二萬二萬二萬 六筒ドラ

先のメンゼン手牌のテンパイできる牌は、カン六萬四筒七筒

二萬ポンからのイーシャンテン形におけるテンパイできる牌は、二萬五萬四筒七筒四索七索

なんと3種12枚から6種17枚に増えています。

もっともチーできる牌は12枚から11枚に1枚減っていますから、このテンパイできる牌の5枚の差は威張れたものではありませんが、ことマンガンテンパイへの速度感は増したと言えるのではないでしょうか。

そんなチマチマした思考では打ちたくないと考える人も多いでしょう。

「私は<鳴き>のスキルアップよりメンゼンで打っていくための力を付けたい」と考える人は全身全霊で、その力を付けるよう勤しんでください。

人にはそれぞれ生きてきた道があるように、思考や嗜好に違いがあって当然なのですから、<鳴き>にストレスを感じる人がいても不思議ではありませんね。

それでも私はみなさんの手牌に対する固定観念や先入観を少しでも軽減したいと思い、ともすれば奇っ怪に映る<鳴き>を例に選択の幅を広げるトライをしてみました。

いかがだったでしょうか。

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